九月になっても相変わらずの暑さです。夏バテ大丈夫ですか?でも、あとちょっとの辛抱で涼しくなります。暑さに負けずに頑張りましょう。
*夏休みに黒部ダムに行きました。この大きなダムを造り上げるために、多くの人々が数々の困難を乗り越えたのだ思い、大いに感動しました。
さて、今回は「最強のモノづくり」についてお話します。私はこの本を改善コンサルタンツ株式会社代表でパートナーの御沓佳美(みくつよしみ *女性のような名前ですが、こわい顔をした男性です)と共著で2001年に日本経営合理化協会から出版しました。
学校では決まった教科書があり、それに基づいたテストがありますから、自分の実力を客観的に知ることができます。しかし、モノづくりとなると「自分たちのやっていることが果たしてこれでいいのか?」と疑問を持っても、はっきりした答えは分かりません。
以前と較べるとずっと良いとか、同業者の中では良い方だといった相対的な話はできるかもしれませんが、これらはあまりあてになりません。
なぜなら、更に向上をしようと思う時に、どうなることが向上なのかが分からなければ前に進むことができないからです。
そこで私たちは、モノづくりのあるべき姿をモノの流し方で6つのレベルに分けて、レベル6が最高レベルでありそれを目指して改善をしましょうと提案いたしました。そのレベルとは次の通りです。
レベル0:ダンゴ生産
レベル1:工程内の流れ
レベル2:工程間の流れ
レベル3:工場内の流れ
レベル4:工場間の流れ
レベル5:お客様への流れ
レベル6:一気通貫の流れ
ちなみに、6つのレベルといいながら、レベル0があるので全部で7つあります。
それでは、まずはレベル0から説明を始めます。0のレベルのダンゴ生産というのはモノづくりに全く流れがない、あっては困るレベルです。
下の絵のようなお団子の形から想像して頂きたいのですが、工程の流れが串です。
そしてそれぞれの工程の在庫がダンゴで表されています。すなわちお客様の注文情報とは関係なく、それぞれの工程が勝手にモノを作ってしまい、中間在庫であふれているといった作り方です。
これは作れば売れる時代の遺物です。とにかく作ればすべてハケた時代には、在庫だとか効率だとかうるさいことを言わないで、そこにいる人が能率を上げれば、何とかなるといった粗っぽいことが許されたという話です。
しかし、言うまでも無くイケドンドンの時代は終わりました。したがって、ダンゴ生産の考え方は今ではありえない…、はずなのですが、実は工場内のすべてではないけれど、いまだに一部にはあったりするものです。
「ダメだと分かっているのなら、あるのはおかしいじゃないか!」と思われるかもしれませんが、実は「つい、ダンゴをやりたくなってしまう」理由も、挙げてみれば分からないでもないのです。
ダンゴ生産になった理由の主なものは次の10項目です。
1. 営業部門が欠品を恐れる。
2. 製造部門には営業部門の注文にリアルタイムに応える力がない。
3. 購入部品はまとめて買うのだから、まとめて作って何が悪い。
4. 組立工程が前工程の部品製作工程から離れている。
5. 分業生産が効率化の最高の方法と信じている。
6. 分業生産あるいはダンゴ生産は人の教育・訓練が少なくてすむ。
7. 計画・集計・伝票などの情報の仕組みがダンゴのやり方になっている。
8. 設備の作り方がダンゴ用になっている。
9. ダンゴ生産だと材料・副資材のロスが少なくなる
10.まとめて造ると品質が安定するという神話。
いかがでしょうか?あれ、思い当たるぞ…、という方がいらっしゃったら要注意です。一歩一歩でいいですから、レベル1にまず照準を当てて改善を始めましょう。
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