会社を強くするためには、社員が成長して燃えるような会議を毎月行うことが必要だとわかりました。
しかし、私の会社の会議では、前月の結果の言い訳をする場になっています。
もっと経営者意識を持ち、自部門の数字に執着し、自分の喰いぶちは自分で稼ぐ意識を持ってもらうためには、
どうすればいいのでしょうか?
同族会社の部門別の経営会議では、平然と「今月は赤字でした」と発表しているリーダーがたくさんいます。
それは、自分の部門が赤字になってお金がなくなっても社長がなんとかしてくれると思っているからなのです。
自分の家計簿ならどうでしょうか? そんな悠長なことを言っているわけには行きません。
赤字の穴埋めは自分でしなくてはならず、自分の喰いぶちは自分で稼がないといけないのです。
会社でも、自部門の数字は、自分の家計簿だと思わなければいけません。
つまり、自部門の数字の中に魂を込めて、何が何でも黒字にすると真剣に思わなければ、赤字は解消しないのです。
ではどうすれば、自部門の数字に執着するようになるのでしょうか?
自部門の数字を自分の家計簿と思わせるためには、会議資料に仕掛けが必要です。
下の表をご覧下さい。
一般的な経営会議の資料では、経理部門が、独自の判断で作ったものが多かったり、部門毎の粗利益は出ていても、
経費を差し引いた利益が出ていないといった状況が見受けられます。
また、各部門の目指すところがバラバラで、営業部門は「売上最大」を目標に掲げ、製造部門は「経費最小」を
目指しているところがほとんどです。
一方、喰いぶちを自分で稼ぐ会議では、原則として、現場社員が自ら作って、経理部門が集計した資料を用います。
この資料では、売上や仕入だけでなく、すべての経費を部門毎にとらえて、部門毎の利益を明らかにしています。
そのため、すべての部門は、「売上最大、経費最小」という目標を持てるようになるのです。
さらに、会議での発表方法にもひと工夫が必要です。
一般的な会議では、1ケ月の結果を報告させられるという受け身の発言になってしまい、
前月の実績との比較に終始したり、目標通りにできなかった言い訳を並べる会議になってしまいます。
一方、喰いぶちを自分で稼ぐ会議では、リーダーは自分が経営した結果を発表し、夢を語ります。
抽象的な表現ではなく、数字で経営を語る会議になるのです。
しかし、このような会議がすぐにできるわけではありません。
何度も何度も会議を重ねて、リーダーの意識を変えていく必要があります。
そのためには、会議の司会者や社長を補佐する人が、
「言い訳をするな。数字で語れ。前月の話は2分で終わり、今月どうするのかを8分で語れ」というふうに、
繰り返し叱咤激励しなければなりません。
こうした努力の積み重ねによって、自分の喰いぶちを自分で稼ぐ経営会議が実現し、会社全体の数字が
よくなっていくのです。