10月1日は国慶節。今週は中秋節ともあり、中国からの観光客がまた一層日本各地を訪れていることでしょう。
さて、本コラムを毎回ご覧くださっている方には、訪港経験がなくとも、香港における海外ビジネスの利点は情報として何となくキャッチいただけた頃かと思います。
但し、「海外進出」に対し、どこまで本気に入り込むのか?それは規模や展開の仕方、売上額の目標をどのように掲げるかによって、また道が分かれてきます。
海外進出!貴社の狙いは?
言葉上でこの「海外進出」。その目的を大きく括ると二つに分かれます。一つは海外で売上、成果を上げるために全力で取り組むケースと、もう一つは国内向けに企業及び商材に箔を付ける手段(PR)の一つとして海外事例を盛り込むために実例をつくるケース。
後者は比較的容易ではあるため、それでは、前者についてさらに話を進めてまいります。
香港進出がゴールなのか?香港はステップなのか?
次に、この見出しの文句のどちらかによって、現地での動きやそれに費やす時間などの見図り方に相違が生じるとともに、その企業の規模によってもどこまで先行投資等が出来るのかがまずは問われてきます。
例えば、日本でメディア等の露出がある企業や商材は、事前リサーチを怠らずターゲットを読んでいれば、多少のPRを仕込むことで軌道に乗りやすい傾向がありますが、なんせ人口が7百数十万人のため売上高はそれなり。
そう。香港市場をどこまで考えるのか?どこまで利用するのか?
世間でよく言われているのが「香港は中国本土への玄関(入り口)」。世界三大金融センターである香港ですので主に金融関連は今後もそう言えると思いますが、商材によっては、例えば、香港から上海へというパターンは何年か前のスタイルで、上海を狙うのであれば直接上海へ行ってしまった方が早い時代。
余談ですが、小売や飲食などで中国市場に参入するのであれば、ショッピングモール建設や都市開発が始まっている地方を狙うのも今後の策。まず経費が安く済むこととまだ競合がなく(もしくは少なく)市場独占の可能性も。
ただ海外ビジネス未経験では危険と申しますか、一筋縄ではいきませんので要注意。
香港から東南アジアへ
もし市場を拡大していくことが目的であれば、14億人の中国を目指すのも当然かと考えますが、特に小売、飲食、外食産業などは香港でウォーミングアップをしてから東南アジアの都市を視野に入れるのもおもしろいと思います。
それはなぜならば、意外とまだまだ香港ほどフロムジャパンが揃っていないからです。
弊社でマレーシアにてテスト販売をおこなった際、香港で5年以上も前に販売していた商品や国内であればどこのスーパーでも売っている商品でも、彼らにとってはまだ見たことがないらしく何度も手に取り興味津々に購入していく光景も。
誰もかれもが「生まれて初めて見た」という表情、リアクションが素朴に感じました。
では、ここで主な東南アジア諸国の人口と首都を書き出してみましょう。
● インドネシア(2億5,570万人・ジャカルタ)
● フィリピン(1億180万人・マニラ)
● ベトナム(9,338万人・ハノイ)
● タイ(6,740万人・バンコク)
● マレーシア(3,065万人・クアラルンプール)
● シンガポール(561万人・シンガポール)
但し、合弁でなければならない国や営業に当たりやたらライセンス取得が必要であるとか、政府とのパイプがモノをいう国、また宗教的問題でイスラム教の「ハラル(許される)」と「ハラム(許されない)」。「ハラム」に反しないなどなどハードルは幾つも出てまいります。
従って、海外進出がしやすい「香港を足掛かりにアジアへ」と何年も唱えていた次第・・・
《 講演のお知らせ 》
10月15日(木)18:00~、東京・青山アイビーホールにて、日本香港協会主催第42回香港ビジネス懇話会にて講演させていただくことになりました。
テーマは、~変わりゆく香港~「香港の今!」を知り、「香港を活かす」ビジネスを探る!詳しくはこちらのご案内ページをご覧ください。
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