「経営会議を始めてから半年が経過し、経営計画発表会も行っています。
しかし、社員がまだまだ数字に弱くて困っています。もう少し数字に強くなれば
経営会議にも成果が出てくると思うのですが・・・・。
これからの経営会議が行き詰らないかどうか心配です。
どうすればいいでしょうか?」
と、3年後事業承継を考えている社長は焦っています。
自分の部門の成績に対して、
平気で「頑張りましたが、赤字になってしまいました」と言う社員は、
数字に弱いとしか言いようがありません。
このような状態では、いつまで経っても会社の赤字は解消しません。
しかし、経営会議を毎月開催していくと、数字に弱かった社員が変わってくるのです。
次第に数字執着するようになり、部門の赤字に対して、"何とかしなければならない"と
自ら動くようになるのです。
社員の意識が変われば、必ず会社の利益は上向いてきます。
下の表を見て下さい。
経営会議を始めた当初は"やらされている"という意識でしたが、
半年ほどで自分の数字に執着し始めます。
自分の部門の数字に執着すると、まず経費に目を向けるようになり、
経費のブラックボックスの中味を知りたくなります。
それは、自分の部門の利益を何としても出すためには、
まず経費を最小にしなければならないと気付くからです。
そのためには、経費の内容と金額を把握する必要があります。
経費明細を科目と業者ごとに作って、自分たちの部門のムダを徹底的に見つけ出します。
そして、経費削減の決意表明をするまでになるのです。
経費の中で大きなウエイトを占めるのは、人件費です。
この人件費を削減するために、暇になったら忙しい部門へ出稼ぎに行き、
部門の利益を出すようになります。
2年目には、1年目の努力の成果が数字に出てきて、社員のやる気が高まり、
来月の予定を真剣に考えるようになります。
このように社員が明日のことを前向きに考えるようになると、
仕事の効率が高まり、残業が減ります。
また、仕損じが減って材料費も削減されます。その結果、確実に利益が増えるのです。
3年目は、幹部の意識が変わり、ミニ社長として部門会議で熱く語るようになります。
その結果、全社員が経営に参加して、利益に向って走り出すようになるのです。
このようにして、経営会議を長いスパンで行っていくことにより、
数字に弱かった幹部や社員が生まれ変わり、数字に執着するようになります。
そして、社長に替わって経営を考えてくれるようになるのです。
皆様の会社でも、経営会議を通して、全員参加経営を行い、
利益の残る強い会社になっていただきたいと思います。
そのようになれば、事業承継もスムーズに進み、社員も社長も幸せになれるのでなないでしょうか。