2026年1月6〜9日に米ラスベガスで開催された「CES 2026」は、これまでのAIブームから一歩進み、AIが物理的な体(ロボット)や、社会インフラにどう実装されるかという具体的なフェーズに入ったことを感じさせるものだった。
NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは基調講演で、「フィジカル(Physical=物理) AI」の時代を宣言、「フィジカルAI」は世界の法則(重力、慣性など)を理解し、相互作用できるAI・常識を持つAIで、今年のCESで最も話題となった「ヒューマノイド(人型)ロボット」や自動運転車などに搭載されている。
NVIDIAは「フィジカルAI」の世界基盤モデルである「Cosmos」を発表、これは物理的にあり得るシナリオを仮想空間で無限に作り出す仕組みで、ロボットや自動運転車が遭遇する可能性のある危険や、起こりうる事態などのトレーニングに必要な合成データ(Synthetic Data)を膨大に作ることができる。
自動運転車用の「Alpha Mayo(アルファメイヨ)」は、車が現実世界で「推論」できるようにする車載プラットフォームで、どのような行動をとるかだけでなく「なぜその行動はしないのか」という理由も人間の言葉で説明できるもので、無償提供(オープンソース)して自動運転車の開発を加速させるとしている。
■自動運転車
NVIDIAはメルセデス・ベンツと協業で進めてきた取り組みを基に、ハイウエーでのハンズフリー走行に対応しつつ市街地でも自律走行できる車両の開発を進めており、最初の車両が1〜3月(第1四半期)にアメリカで公道走行を開始する予定だとしている。
Googleの自動運転タクシー「Waymo(ウェイモ)」は既に米サンフランシスコ、ロサンゼルス、フェニックス、オースティン、アトランタで完全自動運転タクシーとして営業しているが、2026年にはマイアミ、ワシントンD.C.、ラスベガス、デトロイト(寒冷地対応)も開始予定で、初の海外本格進出となる英ロンドンも2026年中に開始される。
日本では日本交通およびタクシー配車アプリ「GO」と提携を発表し、現在は「マッピングおよびデータ収集」の最終段階、「限定的な実証実験」の段階で、東京・港区では毎日のように実験走行車を見かけるが、2026年内に東京の一部エリアで「GO」アプリを通じて大規模モニター利用が始まりそうだ。

2025年の日本の交通事故死者数は2,547人(前年比 -116人、4.4%減)と、1948年(昭和23年)に統計を取り始めて以来過去最少を更新したが、政府が第11次交通安全基本計画で掲げていた「2025年までに死者数を2,000人以下にする」という目標は達成できていない。
アメリカのデータを見ると、人間による事故死は1億マイル(1.6億km)走行あたり1.06人(2025年上半期 NHTSA推計)に対して、完全自動運転車(Level 4: Waymo, Cruiseなど)は、「Waymo側の過失による死亡事故」は0件、傷害事故率も人間と比較して85%〜90%減少と極めて低い。
高齢化や人口減少が進む日本社会にとって、介護や家事ロボット、自動運転車など、「フィジカルAI」の進歩はありがたい存在になると考えている。
======== DATA =========
●CES 2026 エヌビディア基調講演
https://www.youtube.com/watch?v=UrMnOp2N9Kw&list=TLPQMTAwMTIwMjYhNV_x9sJaPw&index=3
●Waymo(ウェイモ)
https://waymo.com/intl/jp/




















