3月3日に米小売最大手のウォルマート株が上昇し、時価総額が1兆ドルを突破した。
1兆ドルを超えている企業は、エヌビディア、アルファベット(Google)、アップル、マイクロソフト、アマゾン、メタ、ブロードコム、テスラなどテック(IT)企業が続き、その後に、バークシャー・ハサウェイ、ウォルマートとなるが、小売企業では初めてだ。
また、ウォルマートは昨年12月9日から株式上場先を工業、金融など伝統的な産業が多いNY証券取引所から、ハイテク銘柄中心のナスダック に切り替えた。
これに関して「テクノロジー重視のアプローチ」と「産業界を再定義する取り組み」と説明しているが、この5年間にテクノロジーを効果的に業務に取り込んでおり、「小売の巨人」から「新たなAIの巨人」へと変貌しつつある。
■実店舗を物流拠点に
2月1日に交代したマクミロンCEOが就任した2014年は、「ECの巨人」であるアマゾンの台頭にEC部門では遅れをとり、社内にはECにより店舗売上が減ることへの抵抗もあった。
マクミロンCEOは店舗社員の最低賃金を引き上げ、教育プログラムを充実させる巨額の投資を行い、店舗体験の質向上とECと連携する人材を育てる長期戦略を実行、その後に、全米人口の90%が10マイル(16キロ)以内に居住している4,700店の実店舗をECの「物流拠点」として活用し、アマゾンが苦戦している生鮮食品分野で、オンライン注文した生鮮食品を店舗の駐車場で受け取れる「カーブサイド・ピックアップ」や、店舗から顧客の自宅へ直接配送するラストワンマイルの配送網を構築し、食品ECで圧倒的強さを発揮した。
マクミロンCEOは今のウォルマートの姿を、自動化技術やAIを積極的に導入しつつも、最終的には「人」が中心にある「People-led, Tech-powered(人々が主導し、テクノロジーが支える)」オムニチャネル小売業者であるとしている。
ウォルマートはテクノロジーを効果的に業務に取り込み、最先端ロボット技術を導入して倉庫内でのピッキング、梱包の自動化を推進し、AIを活用して在庫管理の精度を劇的に向上させ、欠品を減らし、配送速度を上げたが、テクノロジーは従業員を置き換えるものではなく、彼らの能力を拡張し、より付加価値の高い顧客サービスに集中させるためのものだとしている。
2月1日に就任したファーナー新CEOは、これをもう一段進めて「AIエージェント」による購入と、AI自動化による超高速配送を目指すと考えられる。
======== DATA =========
●ウォルマート
https://www.walmart.com



















