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- 第36回 『憂鬱でなければ、仕事じゃない』 (著:見城 徹・藤田 晋)
2015年、初回のコラムです。
いかがお過ごしでしょうか?
僕は今年のテーマを
「"いつか"を"今"にする」
と決めました。
文字通り、
「いつか~しよう」、「いつか~したい」
と思っていたことを
どんどん実現していく一年です。
というわけで、
"絵に描いた餅"のようになっていた長年の夢を叶えるべく、
年始からロンドンに行き、今年の活動を開始しました。
そして、帰国当日、日本経営合理化協会さんの
「第129回 春季 全国経営者セミナー」に立ち寄り、
盛会の様子を拝見させていただきました。
会場では何人かの読者の方からお声掛けいただき、
ご質問も頂戴しました。
その中から、
「当コラムでの本を選ぶ基準」
について、少しお答えさせていただきます。
経営者の皆さんの少しでもお役に立てるものを、
というのが大きな軸であるのは言うまでもないことですが、
他に意識していることが、いくつかあります。
1つは、隠れた名著。
もう1つは、畑違いの本でありながらも、
ビジネスに大いに通じるところのある本。
したがって、
ビジネス誌や新聞で大きく紹介されていたり、
書店のビジネスコーナーで平積みにされているような本は
基本的に選ばないようにしています。
それらは、僕が紹介するまでもなく、
お手にとられると思いますので。
話題の本、ベストセラーの本を読むのは
いわば、誰もがやること。
最終的に大事になるのは、
人があまり読んでいない良書をいかに読むか。
そこから、いかに得るか。
このコラムでは、その点を大いに意識しています。
しかし、今回紹介するのは、
そんな僕の選書観点からすると、
意外に思えるかもしれない一冊、
『憂鬱でなければ、仕事じゃない』
です。
幻冬舎の見城徹さん、サイバーエージェントの藤田晋という
ビジネス界のカリスマによる著。
発刊された2011年に大変話題になった本ですね。
実は、僕は、お二人の顔が目立つ、強烈な表紙が苦手で
読んでませんでした。
しかし、先日、文庫コーナーでたまたま遭遇。
手にとってみました。
表紙のデザインが、文字だけのものに変わった影響かもしれません(笑)。
感想は…
読んでよかった!
アクの強い表紙とタイトルからすると
意外なくらい、極めて真っ当な本。
この上ない直球ですね。
書かれている内容に驚いたり、大いに刺激を受ける人もいるでしょう。
当コラムの読者なら、基本中の基本だと思われるかもしれません。
でも、その基本を教えてもらえる機会って、
なかなかないんですよね。
昔はあったのかもしれませんが、
今では貴重だと思います。
その人がどんな指導、教育を受けてきたのかは、
話を聞かなくても、見ればわかりますから。
部下育成のためにはもちろん、
自らの生きてきた道を振り返るためにも
きっと役立つ一冊です。
尚、本書を読むときに、おすすめの音楽は
『ワーグナー:聖金曜日の奇蹟』(クラウディオ・アバド指揮)です。
ワーグナーの深く静かなる曲と、見城&藤田両氏の情熱が
見事に調和します。
ぜひ合わせてお楽しみください。
では、また次回。