下の写真は桜の時期にご紹介したジョギングコースですが、今は紅葉です。季節の移り変わりは、何だか嬉しい気持ちになります。
さて、洋上研修のお話を2回続けたので、最強のモノづくり「レベル4」についての連載が中断しておりましたが、再開いたします。
レベル0:ダンゴ生産
レベル1:工程内の流れ
レベル2:工程間の流れ
レベル3:工場内の流れ
レベル4:工場間の流れ
レベル5:お客様への流れ
レベル6:一気通貫の流れ
赤字のレベル4「工場間の流れ」とは、どういう次元のことか。以下、説明していきます。
例えば、自動車会社においてエンジン工場とシート工場がそれぞれ直接に、自動車の最終組み立て工場に製品を搬入すると考えてみましょう。
最終組み立てラインの組み付け車種が、(2000cc・赤)(2500cc・グレー)(2500cc・黒)(2000cc・グレー)という順番であったとすると、エンジン工場からの納入順番は2000cc、2500cc、2500cc、2000ccとなります。
そしてシートは赤、グレー、黒、グレーの車体色に合ったものが順番に納入されることになります。
レベル4では、最終組み立ての順番に合わせて、新たにエンジンやシートのための生産計画が組まれることはなく、すべての工場が共通の生産計画、すなわち最終の組み立て順番の指示を共有化して、必要な部品をちょうど良いタイミングで出荷・供給されるようにするのです。
レベル2の工程間のつなぎでは「カンバン」や「生産計画」で工程間をつなぎましたが、その延長線上で、レベル4では工場と工場の間をつなぐのです。すなわちすべての流れが最終工程のモノづくりに同期する1個流し生産を目指しているのです。
世の中の動きとしては、それぞれに独立している工場間といえども、このような感じでつないで行こうという動きが広まっています。
そうすると、ダンゴ生産で在庫を持って最終工程に部品供給をしている会社があったとすると、本当に同期した流れ生産にならないので、グループとしての動きについていけなくなります。
そうならないためにも、ご自分の会社の流れがどのレベルであるかを判断して、常に一つ上のレベルの実現を目指すようにすることが必要です。
これまでの考え方だと、それぞれの工場にある生産管理担当部署が生産計画を作り、それにしたがって各工場で生産が実行され、最終的に管理部署がそれらの部品をつながるようにするやり方であったと思います。
しかし、管理部門をこれから更に強化するのでなく、生産現場力を強化して管理を介さないでも生産現場の力で工場間の同期を取れるようにすることです。
このように、工場間の流れを作る段階では、あらゆる面において厳しさが増してきます。このレベルになると、こうすれば良いといった正解があるわけではなく、それぞれの会社で方法を考えて実現することが求められます。
簡単ではないし、もちろん経験もありませんから、やる前から諦めてしまったりする人が出ないとも限りません。
しかし、この変化の時代に生き延びて勝ち進むために何をすればいいのかを考えた時に、私にはこの流れの追求以外の答はありません。
出来ない理由を探すのではなく、やる方法を考えるようにして前に進んで下さい。やれば必ずできることです。
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