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第36話 「非常勤役員」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

  私は、非常勤取締役を1社、非常勤監査役を2社拝命しております。
 
 名前だけの非常勤は、世の中には多いですがわたくしは名前を貸す形だけ、名ばかりの役職だと思って着任しておりません。勿論、依頼される企業 もそれなりの考え、思惑もおありで、私にその任を頼まれ報酬もいただいております。
 
 非常勤であろうと常勤であろうとその責任は非常に重く受け止めておりますし、重いはずです。
 

 取締役は、忠実義務、善管注意義務(善菅)義務があり、義務違反があれば一株でも持たれている株主から損害賠償で訴えられるのです。監査役も そうです。
 
 監査役としての権限を行使せず、不祥事を見逃せば任務懈怠(けたい)、監査を怠ったとしてこれ又、損害賠償を要求される時代です。私の近くで も発生しています。
 

 取締役も監査役も取締役会が選ぶとは言え、実質は代表取締役社長が選びます。社長や取締役の不法行為に異議を挟むというのは、しがらみ社会の 日本ではなじみませんし、難しい事ですね。
 
 しかし、今やそんな甘い役でもなくなってきつつあるのです。取締役は取締役会で解任できても、監査役は株主総会に諮らないと任期途中では降ろ せないのです。
 
 年商50億までの中小企業ではそんなことはないかもしれませんが、100億以上になると他人株主や社会性が問われ、法的なことを知らずに中小 企業のままのスタイルで事を進めているととんでもない事になるのです。
 

 経営が正常に進んでいれば何も問題はありませんが、こと、異常事態に陥った時には非常勤取締役、非常勤監査役がその権限を発揮しなくてはなら ないのです。
 
 私は、常にマサカという坂があると申し上げておりますが、この6ヶ月の間に平穏な会社、高収益会社でマサカという坂に直面しているのを実際に 見ております。
 

 A社の実例で言うと代表取締役社長の長年の友人に監査役についてもらったところ、その監査役、自分の任務を忘れて社長の茶坊主、イエスマンに なってしまった。
 
 社長の投資の片棒を担ぎ、会社に多大な損害を与えてしまいました。本人は全くことの重大さを認識しておらず、自分は社長の命ずるままに素直に 真面目に、疑いももたず懸命に働いたと、みんなの前で説明するじゃありませんか・・・一流の大学を卒業したにもかかわらず、会社法も商法も知らず、監査役 の任務も理解せず、全くもって幹部達があきれかえる事件がありました。
 

 不作為―― 「ちっとも知らなかった」では社会人、ましてや経営幹部は務まりません。どうか、知らないなら重い役についてはいけません。
 
 交通信号の赤・青・黄の意味を知らずに人間をやってはいけません。車は右を走るか左を走るか、その国のルールを知らずにハンドルを握ってはい けません。
 

 零細企業の常識そのままで中企業に成長してはいけません。どうか、学ぶ姿勢を維持してください。
 
 コンプライアンス、法的遵守、言葉遊びをしてはいけません。知らずに違法行為をしないで下さい。勿論、知っててやるのは論外です が・・・

 

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