厚生労働省がまとめる「人口動態推計」というデータによると、平成20年(2008年)の1年間に死亡した人の数は、およそ114万3千人。
そのうち、
・悪性新生物(がん)による死亡が、34万3千人。
・心臓疾患による死亡が、18万4千人。
・脳血管疾患(脳卒中)による死亡が、12万6千人。
これを、%で表すと、
(1)がん 30%
(2)心臓疾患 16%
(3)脳卒中 11%
となり、上位の三大疾患で、死亡者全体の57%を占めることになります。
●がんによる死亡者に関しては、
1968年(昭和43年) 115,462人
1970年(昭和45年) 119,977人
1975年(昭和50年) 136,383人
1980年(昭和55年) 161,764人
1985年(昭和60年) 187,714人
1990年(平成2年) 217,413人
1995年(平成7年) 263,022人
2000年(平成12年) 295,484人
2005年(平成17年) 325,941人
2008年(平成20年) 343,000人(推計)
40年間で、22万7千人の増。
●心臓疾患による死亡者は、
1968年(昭和43年) 80,866人
1970年(昭和45年) 89,411人
1975年(昭和50年) 99,226人
1980年(昭和55年) 123,505人
1985年(昭和60年) 136,162人
1990年(平成2年) 165,478人
1995年(平成7年) 139,206人
2000年(平成12年) 146,741人
2005年(平成17年) 173,125人
2008年(平成20年) 184,000人(推計)
40年間で、10万3千人の増。
●脳卒中による死亡者は、
1968年(昭和43年) 174,905人
1970年(昭和45年) 181,315人
1975年(昭和50年) 174,367人
1980年(昭和55年) 162,317人
1985年(昭和60年) 134,994人
1990年(平成2年) 121,944人
1995年(平成7年) 146,552人
2000年(平成12年) 132,529人
2005年(平成17年) 132,847人
2008年(平成20年) 126,000人(推計)
40年間で、4万9千人の減。
1968年、1年間の総死亡者数は、686,555人でした。
%で表すと、1968年の死亡割合は、
(1)脳卒中 25%
(2)がん 16%
(3)心臓疾患 11%
2008年の、
(1)がん 30%
(2)心臓疾患 16%
(3)脳卒中 11%
と比べると、大きく様変わりしていることがわかります。がん死亡者の伸び率が、いちじるしいですね。
1968年 115,462人
2008年 343,000人
なんと、2.97倍もの伸び率です。
分母を合わせて、比較してみましょう。
1968年 全死亡者 686,555人
2008年 全死亡者 1,143,000人
で、死亡者数割合が1:1.66ですから、分母を合わせたとしても、約1.8倍もの伸びです。
心臓疾患も、比較しておきましょう。
1968年 80,866人
2008年 184,000人
で、2.28倍の伸び。死亡者割合で分母を合わせると、約1.37倍。
心臓疾患の場合は、10年前(1998年ごろ)は、いったん減少傾向にありました から、ずーっと増加傾向というわけではないというところがポイントです。
ところで、びっくりするのが、「脳卒中」。40年前は、脳卒中で死亡する人が、4人に1人もいたんですね。それがだんだん減少し、脳卒中による死亡者は、数自体もずいぶんと減っています。
ただ、ここには数字のカラクリがあって、発症から24時間以内の死亡者の数のみが計上されています。
医療技術が発達し、24時間以内の死亡が減少したことから、脳卒中による死亡率は減っているものの、罹患(脳卒中発症)数自体は、増加傾向にあるのです。つまり、発症後の後遺症に苦しむ人が増えているということです。
また、1968年当時は、「老衰」で亡くなる方が39,750人いました。2008年はどうかというと、推計で35,000人くらいです。「老衰」は、実数でも減少、母体数から言うと40年前は5%あった自然死が、いまや3%を切る状況です。
「健康に」死ぬのが難しい時代。それが、現代と言えます。相当、気合を入れていかないと、健康に死ねないんですね。
健康を考える時、私たちに暗雲めいた重しになる「三大疾患」。3人に2人がかかるとするなら、三大疾患に対する備えを「リアルに」しておくことが大事です。「自分はかからないから、大丈夫」などと、三大疾患について根拠なき自信を持っている方ほど、いざ、かかったときに慌ててしまいます。
そのとき、陥ってしまうのが、「主体性なき受身の治療」。これがよくない。専門的なことは医師に任せるとしても、大事なのは本人の主体性。がんなどは、いまや治せる病気と言われており、実際、アメリカではここ数年がんによる死亡者が減っているくらいです。
「自分はかからないから、大丈夫」から「自分はかかっても、大丈夫」へ。そうしたココロ持ちが、実際、三大疾患にかからないカラダを創っていきます。
次回は、その辺を具体的にお話していきたいと思っています。