menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第70回 『目標には期限設定を』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

ただ“こうなればいいなぁ”と心の内で想うだけの願望と、“これを達成させる”という目標の違いをつくるものは何か。
達成される目標には、“いつまでに、これを実現する”という時間設定があることだ。


ソフトバンクグループを率いる孫正義さんは、19歳のとき、将来は起業して生きることを誓ったことで知られている。
そのときに立てた「人生五十年計画」には、“20代で名乗りをあげ、30代で軍資金1000億円を貯め…”と、
時間設定がきちんと為されていた。

孫さんの今日の成功は、彼が出会ったそうそうたる人脈の結果だと評する人が多い。
だが、私は、19歳にして、目標に時間軸をつけるという発想をもっていたところに、成功の秘訣を見る。


例えば、マイホームの取得は、立派な人生目標のひとつだ。だが、“いつか自分の家をもちたいよね”では、実現は難しい。
“い つか”と“そのうち”は、やってきたためしが無いからだ。
“40歳までに”とか“子供が小学生にあがるまでには”のように、しっかりしたタイムリミットを設けるべきだ。

 時間設定が出来れば、“そのためには、30代で頭金をつくろう”というように、具体的なアクションプランが浮上してくる。
あとは、そのプランに基づいて行動をしていく。

「結果を出す」ことは、この行動の結果にほかならない。


ほとんどの企業は、経営計画を立案している。
経営計画はたいてい、長・中期計画と、短期=年次計画の二本立てになっている。

 たとえば、長期計画では“グローバル企業への変身を目指す”のように、マクロのビジョンを掲げ、
短期の年次計画では、“今期中に中国市場の拠点をつく る”というようになっている。


経営学の教祖ピーター・ドラッカー博士は、
 “プランを明確かつ具体的なものにするには、長くともせいぜい一年半を対象期間とするのが妥当。
問題は、一年半の間に、いかなる成果をあげるかである”
と 述べている。

個人的な短期目標も、一年以内に設定するのがほどよい目安だろう。


長期目標は、人生の最終目標である。自分の人生の方向づけを描くとよい。中期目標は、その中間段階だ。

三年ごと、五年ごと、あるいは十年ごとには“ここまでは、たどり着きたい”という、目標をいう。


登山をしたことがある人なら分かるだろうが、登山の目標は、頂上に立つことだ。
富士山なら、山頂でご来光をあおぐことかもし れない。

だが、一歩一歩、登っていくときに支えになるものは、五合目、六合目という中間的な指標である。
あそこの小屋までとか、あの岩の手前までといった、視野にとらえられる目標がないと、人はがんばれないものなのだ。


長期目標へ到達するにも、そこにいたる中期と短期の道しるべが必要なのである。


                                                           新 将命 

第69回 『人育て』前のページ

第71回 『「聞く」技術』次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

    音声・映像

    社長が知るべき「人間学と経営」セミナー収録

  2. 会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

    音声・映像

    会社と社長個人の5大リスク対策セミナー収録

  3. ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

    音声・映像

    ジャパネットたかた創業者「高田 明の経営法」セミナー収録

関連記事

  1. 第192回 『明日の100点より、今日の80点』

  2. 第71回 『「聞く」技術』

  3. 第48回 『自責』

最新の経営コラム

  1. 第50講 カスタマーハラスメント対策の実務策㊲『出るところに出る!』第2部

  2. 「展示会の見せ方・次の見どころ」(2025年12月)

  3. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2025年12月10日号)

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 社員教育・営業

    第25講 お申し出者のお宅への訪問対応~その3~
  2. 税務・会計

    第51回【「月次決算報告」マンネリ解消】3つの方法
  3. 新技術・商品

    第7話 「差がない」と「ほとんど差がない」は全くの別物
  4. マネジメント

    危機を乗り越える知恵(11) 壬申の乱と天武の決断
  5. 社長業

    Vol.79 会社を、もっと強くする「魔法のコトバ」
keyboard_arrow_up