日中国交正常化の条件として、
「結構です。日米安保条約を(日本側が)
首相の田中、外相大平正芳ともにホッと胸をなでおろした。
しかし中国は、したたかだった。日米安保条約のハードルは、
前年の7月、
10月のキッシンジャーの北京再訪も含めて両者の14回に及んだ
これに対してキッシンジャーは、一貫して概略、
「日本国民が望むなら、
いわゆる「ビンのふた」論である。
キッシンジャーの周到な根回しを経て、ニクソンが訪中したのは、
「米国は、台湾におけるプレゼンスが減少しても、
それとも知らず米国に気を使う日本。
当時の外務省高官は、米中交渉の細部について「情報は無かった」
米中協議の詳細な会談録が公開されたのは、それから30年を経た
(書き手)宇惠一郎 ueichi@nifty.com
参考文献
『田中角栄の資源戦争』山岡淳一郎著 草思社文庫
『記録と考証 日中国交正常化・日中平和有効条約締結交渉』石井明ら編 岩波書店
『求同存異』鬼頭春樹著 NHK出版
『周恩来・キッシンジャー機密会談録』毛里和子、増田弘監訳 岩波書店
『ニクソン訪中機密会談録』毛里和子、毛利興三郎訳 名古屋大学出版会