menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第九十一話 客層を変えて事業を伸ばしている理由は、これらの顧客体験の仕組みがあるからです

中小企業の「1位づくり」戦略

― 営業しないのに選ばれる。“空気感”でつながるCX戦略 ―

 

体験がブランドになる時代

こんにちは、1位づくり戦略コンサルタント佐藤元相です。
住宅という高額商品を、いかに売るか。
多くの工務店がこの課題に悩み、広告・見学会・イベントなどを工夫してきました。
けれど、もう「伝える」だけでは、心に届きません。

これからの時代は、「体感する」「感じる」ことこそが、最大の営業であり、信頼構築」なのです。

岡山県美作市で、人口約2万4千人という地方都市に拠点を置きながらも、
安定的な業績を誇る小林工業は、その最前線に立っています。

 

築50年の古民家を再生して、暮らしの世界観を体験できる場所に

その象徴的な場所が、kobatoisa café & sauna(コバトイサ カフェ&サウナ)です。
本社の国道を挟んで向かい側。
吉野川沿いの築50年の民家をフルリノベーションして生まれた施設です。

 

 

    • 美作材を使った開放的なカフェ空間
    • 地元野菜を活かした体に優しいメニュー
    • 焼きたてのフォカッチャや限定カレー
    • 川のせせらぎと共にくつろげる外気浴スペース
    • 薪ストーブによる本格的なセルフロウリュサウナ
    • ウイスキー樽を使った贅沢な水風呂

これらのすべてが、“暮らしの思想”を体験できる場所となっています。

 

一棟一棟に宿る「一貫性のある思想」

この空間で感じる心地よさ。
それは、設計や施工技術の高さだけで生まれるものではありません。

小林工業が掲げるのは、「ロハス=地球環境保護・健康的で持続可能な暮らし」という明確なコンセプト。

この思想に基づいて、

  • 断熱性、気密性の確保
  • 自然素材の活用
  • 環境と調和するデザイン
  • 外と内のつながり
  • 炎、香り、水音、風といった五感への配慮

これらを体験として再現することが、kobatoisaの役割です。

 

カフェとサウナは、建物の性能を感じてもらうプレゼン空間

住宅の性能を数値や資料で説明しても、ピンとこない方が多いのが実情です。

しかし、kobatoisaでは

  • サウナ小屋の断熱性
  • 木の香りと調湿性
  • ストーブの輻射熱
  • しっくい壁の消臭効果

 

 

これらを“住まいの中で実際に感じてもらう”ことで、
無理な説明をしなくても、その価値が自然に伝わっていくのです。

 

「分散」ではない。それぞれの分野で専門性を高める発信設計

小林工業のWebやSNS、YouTubeは、単に情報を「たくさん出している」のではありません。各事業ごとに、専門性を持って発信しているのです。

    • kobatoisa café & sauna → 食と空間と整い
    • ログハウス宿泊体験 → 暮らしの本質と住宅性能
    • kobaco sauna → プロダクトとしての展開
    • 本社サイト → 企業としての信頼性と実績


それぞれのチャネルで、異なる「暮らしの切り口」を深めていくことで、
共感するお客様と自然に出会えるよう設計されています。

これは「物量戦」ではなく、“適切な出会いをつくる専門性の戦略”なのです。

 

新たな宿泊施設でも、「暮らしのプレゼン」が始まっている

現在、小林工業では新たな一棟貸し宿泊施設を開発中です。
ここでも「暮らしの体験」が中心にあります。

    • 清流を望む立地
    • カップルや家族向けのコンパクト設計
    • 本格サウナ付き
    • BBQもできる屋外空間
    • 地元木材を使った内装と高断熱設計

 

 

この施設は、単なる観光宿泊ではなく、
「こんな家に住んでみたい」と思わせる、体感型のモデルハウスでもあるのです。

 

kobaco sauna という“持ち帰れる暮らし”

さらに、体験だけで終わらせず、
実際に手に取れる商品へと展開しているのがkobaco saunaシリーズです。

    • kobaco sauna unit(住宅やキャンプ場向け)
    • kobaco sauna car(軽トラ積載型)

これらの製品も、サウナとしての性能だけでなく、
自然素材・デザイン・断熱など、住まいづくりのノウハウを活かした設計になっています。

お客様は、サウナ体験を通じて共感し、
商品に出会い、「暮らしに取り入れたい」と思うようになります。

 

選ばれる理由は「空気感」が一貫しているから

小林工業のすべての取り組みに共通しているのは、“世界観の統一”です。
カフェもサウナも宿泊も住宅も、全部がバラバラに見えて、実は一つの暮らし観に収束しています。

この「空気感」が、

    • コンセプトのブレなさ
    • 思想の強さ
    • 顧客との共感度

を高め、価格や性能以外の軸で選ばれる理由になっているのです。

 

売らずに売れる。説明せずに伝わる。これがCXの力

「サウナを体験したあと、家づくりの相談をしたいと感じた」
「このカフェの居心地を、家にも取り入れたい」
「建築会社だとは知らずに来たが、雰囲気で伝わった」

こうした声が集まるのは、体験が先で、営業は後だからです。

今、多くの中小工務店が苦戦している中、
小林工業は顧客体験(CX)という“非営業的な営業手法”で、
「選ばれる理由」をつくり出しています。

 

あなたの会社でも、“暮らしの入り口”はつくれる

もちろん、すべてを真似する必要はありません。
でも、「体験を通じて伝える」ことは、どんな会社でも取り入れることができます。

    • 小さなモデルハウスを宿泊型にする
    • 自社の空間でイベントを開いてもらう
    • 暮らしのワークショップを開催する
    • スタッフのライフスタイルをコンテンツ化する

すべては、「共感される体験の設計」から始まるのです。

 

体験こそ、最強のマーケティング戦略である

小林工業は、単に「ブランディングに成功した会社」ではありません。
暮らしの価値を、“体験”という形で仕組み化した会社です。

ロゴや広告ではなく、
木の香り、炎のぬくもり、川の音、地元の味覚。
こうした「五感に残る体験」が、ブランドを超える信頼をつくっているのです。

これからの時代、
“性能”でも、“価格”でもなく、
「暮らしの空気感」が、最も強い選ばれる理由になる。

小林工業は、それを地方から証明してくれています。

 


https://kobatoisa.jp/

kobatoisa café & sauna
住所:岡山県美作市巨勢2451-1
電話:090-7181-4107
定休日:毎週水曜日
営業時間 カフェ:11:00〜17:00
     サウナ:10:00〜21:00
サウナ料金:平日2,500円/土日祝3,000円(2時間・予約優先)
(タオル・マット・サンダル・イオンウォーター付き)
予約:じゃらん等でログハウス宿泊予約可

暮らしを感じてもらうことが、最大の営業になる。
それが、これからの工務店経営の新しい常識です。

第九十話 体験がすべてを語る時代へ。工務店に求められるのは「売る力」ではなく「感じさせる力」前のページ

第九十二話 全社員でつくる信頼 アルミオーダー型材専門・関西金属製作所の挑戦次のページ

JMCAおすすめ商品・サービスopen_in_new

関連セミナー・商品

  1. 佐藤元相の《何かの分野で1位になれば》必ず儲かるCD

    音声・映像

    佐藤元相の《何かの分野で1位になれば》必ず儲かるCD

関連記事

  1. 第六十二話 ジム会員の退会率を減らすために取り組むべきランチェスター営業戦術とは

  2. 第六十八話 「遊ぶ鉄工所」ヒルトップの差別化成功戦略と人中心の経営

  3. 第十四話 「お客に対する報・連・相」で信頼関係を高める

最新の経営コラム

  1. 経験ゼロの分野でも成果を出せる社長は、まず何をしているのか

  2. 第199話 中国車、先進国への輸出も急増

  3. 第九十二話 全社員でつくる信頼 アルミオーダー型材専門・関西金属製作所の挑戦

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月22日号)
  2. マネジメント

    危機を乗り越える知恵(7)チャーチルのコミュニケーション術
  3. 社員教育・営業

    第19回 「聞き取りづらい場合には」
  4. ビジネス見聞録

    第3回 強い組織づくりの秘訣|講師インタビュー「人が動く組織のつくり方」松岡保昌...
  5. マネジメント

    朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年10月2日号)
keyboard_arrow_up