名古屋に行かれる人などから「おすすめの鰻店を教えてください」と問い合わせをいただくことがあります。いろいろな店へ行きましたが、私が好きでこれという人におすすめする鰻店がないと言う印象です。なので、ウォークインで待てば入ることができる有名店をすすめます。
また、ひつまぶしという必殺技があるため実際は国産の鰻でない場合もあります。このことに起因するかもしれませんが、泥臭いなと感じる店もあります。
さて、顧問をしている会社のメニューチームでの店舗研究会でいろいろな店をチョイスしていますが、今回はセルフの鰻業態の『うな泰 錦店』をチョイスしましたので、紹介しましょう。
『うな泰 錦店』は場所的には錦通沿い、GoogleMapの案内で伏見駅から行きましたが、最寄り駅としては栄駅のほうが近いですね。
店舗に入ると明るい照明で左手がカウンター、右にテーブル席がずらっとあります。
カウンター10席、テーブル18席だそうです。
カウンターにはコロナ対策の間仕切りのアクリル板がかっちっとあり、明るい照明とともに食事需要感を高めます。
まずは入口右のテラオカのデリタッチ(券売機)で注文します。
メニューは、鰻丼は下のラインが550円(税込)で鰻は1枚、2枚がスタンダードなようで900円(税込)です。鰻は1枚400円設定のようです。
3枚になると少しお得感を出して1,250円(税込)で350円アップに設定しています。
うざく(税込450円)、う巻き(税込480円)、肝串焼き(税込190円)など、ラインナップがあり、定食屋としては珍しく、サイドメニューが充実しています。
でも、さすがにヒレ串とかくりからとかまではありませんよ。
今日は550円のうな丼とうざく、う巻き、肝吸いを注文してみます。
注文しますと、厨房に伝送されます。
そして、できあがりますと、呼び出しモニターで呼び出されます。
キッチンモニター導入とは凄いですね。本気度伝わってきます。
昔、蕎麦店のお手つだいで導入を試みましたが、予算オーバーで呼び出しモニター買えなかったです。でも、これがセルフの肝。ましてやこの30席の席数なら。
キッチンを見ますと、キッチンモニターを見ながらオペレーションしています。昼は慣れないと大変そうですね。
なお、券売機で領収証を出すことができますが、カウンターで手書きで書いてもくれます。
まずは、「う巻き」ができました。
御料理を見るとお店で焼いているようで、侮れません。
う巻きは中に香りが籠もるので泥臭い香りがあります。鰻はおそらく中国産なのでしょう。でもう巻きの価格は3個で480円ですから、そんなことを言う私のほうがおかしいでしょう。これは山椒が必須ですね。
余談ですが、昔養鰻家の山道さんのやっている福岡の店に山椒がありませんでした。
池の(水の)違いを言いたかったのでしょう。
続いて「うざく」です。
うざくはそんなに出数はいかないでしょうが、作り置きではないです。
鰻は合わせ酢と直前に合わせたほうがうまいですからね。
いい感じです。
続いて鰻丼。
う巻きは内側に臭いが籠もっていましたが、炙ってあると味はがらっと変わりますね。
よくよく考えると550円(税込)はそこまで安いわけではないですが、でも、うざくなどのサイドメニューを食べることを考えるととてもこの商品設計は良いアイテムだと思います。
肝吸いは普通。
長居をしましたが、スタッフが最初から最後までとても良い感じで、セルフ店なのに臨機応変に対応してくれました。
すばらしいです。
大変、勉強になりました。
訪問の夜に早速、Instagramに投稿したところ、鰻の名店で働いていたオーナーからこういう店には行きたいと思わないとご意見をいただきました。私も、店舗研究の仕事をしていなければ行くことはなかったと思います。鰻店、蕎麦店などの日本らしい業種は、古民家のような雰囲気も大切で、雰囲気で差別化できるからだと思います。
一方、馴染みのあるカテゴリー故、価格訴求したこのようなタイプの店を作れば食事需要のお客様は一定以上入ることは間違いないでしょう。特に、ランチタイムは予算があるので、価格をうまく設定するとお客様の選択肢に固定しやすいです。『うな泰 錦店』は店自体に日常的な食事需要ではValueがあり、QSCも安定して、近くの勤労者を取り込めるのだと思います。
うな泰 錦店
〒460-0003 愛知県名古屋市中区錦3丁目22−10
電話 052-951-5151