menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

マネジメント

第七十八話 「知行合一」(株式会社居酒屋革命グループ)

社長の口ぐせ経営哲学

厳しい経済状況を乗り切るためには発想の転換が不可欠だ。いま、居酒屋業界で最も注目を集めている経営者といえば、「焼酎の無料サービスの居酒屋」を打ち出した株式会社居酒屋革命グループ天野雅博氏(総合プロデューサー)である。「居酒屋業界に革命が起きた」といわれる程、新業態の「居酒屋革命」を昨年12月に開業以来、既に6店舗を展開している。


「焼酎の値段を一切いただきません」「何杯飲んでも焼酎が無料」というインパクトのあるキャッチフレーズで、マスコミにも何度となく紹介され、話題の居酒屋である。料理2品を注文することを条件にしているだけ。居酒屋革命の大山総本店も銀座本店の客単価は平均2700円とほぼ同じ。消費者にとっても、一度利用すると、口コミしたくなる異色の居酒屋である。


なぜ、焼酎を無料にする居酒屋を考えたのか。果たして採算は取れるのか。仕入れている焼酎代を販売促進費用と考えれば、店に来店させるための戦略は成功している。マスコミで取り上げられた回数は数え切れないほど。新聞から雑誌、テレビ、ラジオまで100社以上、広告に換算すると、莫大な費用をかけたぐらいマスコミに登場している。


開店当初の準備段階で、「タダで焼酎を飲ませるなんて」ということで、商品を卸してもらえないというエピソードがあったくらい、業界初の出来事だった。最近は、どこからでも仕入れられるようになっている。当初より、質のいい焼酎を仕入れているという。お客が増えて、銀座本店の場合、当初、90席だったものを120席にリニューアルするほどの繁盛ぶりである。


業界では確かに異色な居酒屋である。業界の常識では「焼酎をタダにする居酒屋」は実現できないのである。「お客様を信じることですね。ただ酒だけ飲まれて、今に潰れるよ、という陰口もたたかれました。今では、お客様から『ありがとう』という声をたくさん、いただいています。『やってみて初めて答えが出るよ』ということで、失敗を恐れていては前には進めないということです」と天野氏。


天野雅博氏が仕事を一緒にしている幹部社員やスタッフに伝えている言葉がある。「知行合一」といって、中国の王陽明(陽明学の開祖)や吉田松陰がよく語った言葉である。「知識をつけることは行動することの始まりであり、行動することは、つけた知識を完成させることである。いくら知っているといっても、実際に行なわなければ、知っているとはいえない」と天野氏は理解している。行動がありきというわけである。


 

                                                        上妻英夫

第七十七話 「我々の仕事はサービス業だ」(株式会社ハイパーボックス)前のページ

第七十九話 「企業も人も、変わらなければ捨てられる」(中野BC株式会社)次のページ

関連記事

  1. 第十二話 動いた分だけ変化が生じる(えんむすび)

  2. 第九十六話 「人の和」(株式会社龍名館)

  3. 第四十話 過ぎたらダメ(スカイ.A)

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 教養

    第73回『チャンミーグヮー』(著:今野 敏)
  2. 人事・労務

    第89話 元社員の再雇用はどのように判断すべきでしょうか
  3. マネジメント

    第58回 集中力のつくり方
  4. 税務・会計

    第102回 インボイスの管理を定期的に点検する
  5. マネジメント

    第150回 目的はズレていないか?
keyboard_arrow_up