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マネジメント

第71回 『「聞く」技術』

社長の右腕をつくる 人と組織を動かす

通信機器メーカーでグループ・リーダーを命じられ、8人のメンバーの長になったDさんが最初に決意したのは、
「部下の話をちゃんと聞こう」ということだった。

かつて自分が上司にもっていた最大の不満は、満足に自分の話を聞いてくれないことだったからだ。

忙しいのはわかるが、話しの途中でたいてい時間切れになる。
“あとで聞くから”といってはくれるのだが、話にもタイミングがある。

いったん途切れてしまうと、なんだか話しが広がらなくなってしまうのだ。


ところが、実際に8人ものリーダーになってみると、部下の話をいちいちまともに聞いていたら、
それだけで一日の時間の半分は潰れてしまうだろうと気がついた。
だが、話は十分聞いているという印象を与えなければならない。

そこで、Dさんは、部下が報告や相談にくると、制限時間を相手にきっちり伝えることにした。
“今日は10時から会議が入っている。5分前までに切り上げてほしい”とか“2時には出かけるからな”…と云うようにだ。

こうすれば、部下も、それまでに自分の伝えたいことを話そうとする。時間内に効率良く話しができるようになる。
時間切れになってしまった場合も、はじめからわかっていたことなので、案外、不満は残らない。


同時に、Dさんが心掛けたことが3つある。

ひとつめは、部下が話を始めたら、重要なポイントはメモをとることだ。
記憶の誤りを避けることができるうえ、相手に誠実さが伝わる。

二つめは、途中で相手の話をさえぎらないこと。そのためにも、制限時間を最初に伝えることは有効だ。

三つめは、“なるほど”“うん、いいな”など、相づちや軽い驚き、賛辞などを、適当なタイミングではさむ。

以上のことを自分に課しただけで、Dさんに対する部下の信頼はグンと高まった。



新 将命     

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