経理のデジタル化におけるリスクと対策

現代の企業経営において、デジタル化は避けて通れません。
人手不足の中小企業の経理においても、業務の効率化やミスの軽減、情報共有の迅速化など、デジタル化は多くの利点をもたらします。
しかしその一方で、取引がデジタル処理されることにより、異常や不正を見落としてしまうことも考えられます。
そこで今回は、経理のデジタル化によって発生する会計不正のリスクとその対処法について、解説します。
経理業務がデジタル化でブラックボックスになっていませんか?
デジタル化で発生する会計不正の実例
経理処理が紙からデジタルに変わると、不正の手口も変わってきます。
まず、デジタル化された経理業務において、どのような不正が発生する可能性があるのかを具体的に見ていきましょう。
デジタル的な不正取引として、次のような事例が相次いで報告されています。
営業社員が、振込口座を自分の親族の会社に改ざんしたPDF形式の請求書を顧客に送信し、売上代金を着服する。
現場監督が、架空の下請け業者の請求書をPDFで作成して経理に申請し、会社の資金を横領する。
社員が、ネット通販や決済アプリのデジタル領収書を加工して、実際よりも高額な費用を請求したり、交通系ICカードの履歴データを捏造して出張旅費精算したりする。
また、経理担当者がネットバンキングで、数ヶ月にわたって複数回に分けて、会社口座から自己口座に送金していた不正もあります。
このケースでは、銀行の残高証明書をスキャンして残高の金額を偽造加工した後にカラー印刷し、原本と差し替えていたので、1年以上発見されませんでした。
コンピュータ作成書類の不正を疑ったことがありますか?
























