日本は決勝トーナメントでブラジルに敗退してしまったが、現在行われているサッカーワールドカップは世界中で最も注目されるイベントだ。
4年に一度行われるサッカーワールドカップやオリンピックといったビッグイベントは、先端技術が普及するきっかけとなる場でもある。
インターネットは1994年のワールドカップ・アメリカ大会で、コンピュータネットワーク、マルチメディア、高速光ファイバー通信を組み合わせた大規模な情報システムが構築され、翌年秋に登場した「Windows95」で企業や個人の利用が急拡大した。
前回2022年のカタール大会では、センサー入りボール「Al Rihla」、12台の専用トラッキングカメラで選手とボールを追跡半自動オフサイド判定する「SAOT」という技術が「三苫の一ミリ」を生み、選手自身が試合後すぐに自分のデータを確認できる「Player App 」などの導入があった。
■AI時代のワールドカップ
「AI時代」の今大会はAI、センサー、画像処理技術が高度に融合した大会で、センサー入りボール「トリオンダ(Trionda)」は、蹴り出された正確な瞬間(キックポイント)やボールへのタッチの有無をリアルタイムでVARルームに送信しており、7月2日に行われたポルトガル対クロアチア戦の後半アディショナルタイム(103分)のクロアチアの劇的同点ゴールが、ボール内のIMUセンサーによりクロアチア選手の「肉眼ではほぼ判別不能な極めて微細な接触」を検知してオフサイドとなった。(https://www.youtube.com/shorts/rzig6Zix_mQ)
また、レフェリーの頭部に超軽量・高画質な小型カメラを装着して、試合中の審判の視野をそのまま記録しているが、レノボ(Lenovo)が開発した「リアルタイムAIブレ補正アルゴリズム」により、AIにより映像の揺れを60%低減している。(https://www.youtube.com/watch?v=uuiRwR8a-Kg)
参加全48チームに無償で配布されている「FIFA AI Pro」は、2,000項目を超える試合中の選手のプレーや動きを数値化し、走行距離データ、歴史的データ、トラッキングデータなどの膨大なデータをAIが処理、コーチが自然言語により「対戦相手の左サイドからのクロスに対する我がチームの守備の弱点は?」などと質問できるもので、資金や専任アナリストの数が限られている初出場国や、小規模なサッカー協会のチームでも、強豪国と同等の高度な試合データ分析にアクセスできるようになっている。
「FIFA AI Pro」のような情報の民主化(Leveling the Playing Field)は、大企業と中小企業の情報格差をなくせるが、データや戦術通りにプレーできたり、一瞬の判断ができる選手が必要なのと同様に、個々の人間の力が今後はますます重要になる。
======== DATA =========
●センサー入りボール「トリオンダ(Trionda)」
https://www.fifa.com/ja/tournaments/mens/worldcup/canadamexicousa2026/articles/official-match-ball-trionda-ja
●Referee View
https://inside.fifa.com/innovation/innovating-the-game/referee-view
●Lenovo Referee View Camera
https://news.lenovo.com/fifa-world-cup-2026-referee-view/
●FIFA AI Pro
https://inside.fifa.com/innovation/innovating-the-game/fifa-ai-pro






















