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戦略・戦術

第十二話_ストーリーチラシで選ばれる存在になる

中小企業の「1位づくり」戦略

前回に引き続き、地域で評判の焼き肉店「若富」の金田慶烈チーフの取り組みが
とても参考になるので紹介しましょう。

 

前回の記事「第十一話_売るから選ばれるへ発想を根本から変える」はこちら
 

同店は、島根県松江市西津田にある1976年創業の店です。

秘伝のタレにはこだわりがあり、和牛の味わいをより引き立てる名脇役です。

 

数年前のことです。

そんな老舗も来店客数が少しずつ減っていきました。

チラシの反響がいつもより下がってきて、特に平日に来店するお客さまの数がジリジリと減っていきました。しかし、客数減少の原因がよく分かりませんでした。

 

なんとかしなければならないと、チラシの数を増やしましたが、状況は変わりません。

 

・なぜお客さまの来店が減っているのか?

・価格が高いから客数が減っているのか?

・地域に住む人が高齢化してきているから客数が減っているのか?

・不況だから来客数が減っているのか?

・ライバル店の出店で来店に影響が出ているのか?

 

理由がよく分かりませんでした。

 

 

そこであるとき、来店したお客さま一人ひとりに「なぜ若富に来店して頂けたのですか?」と尋ねてみました。

 

「接客対応が気持ちいい」

「スタッフの笑顔がいい」

「一生懸命で信頼できる」

「チーフの人柄に親しみを感じる」

「焼き肉を食べたくなったから」

「子どもの誕生日のお祝いで予約をした」

「息子が大阪から帰ってきたので、家族でゆっくり食事をしたいと想って来た」

「娘のピアノの発表会のお祝いで、『ご褒美になにが食べたい?』と聴くと『焼き肉!』というので連絡した」

「若い人が『イッキ! イッキ!』と騒ぐことなく静かな雰囲気を楽しみたいから」

 

お客さまはいろいろな理由を話してくれました。このように選ばれている理由を聞かせて頂くことで、他店との違いや自分の店の立ち位置が見えてきました。

 

自分たちがこだわっている肉やタレなどは、確かにお客さまに喜んでもらえていたけれど、大切な家族のお祝いをするために来店してくれているお客さまがたくさんいらっしゃることがよくわかりました。

 

 

そして思いました。

「家族の大切な時間を過ごしたい」ときに若富を選んでもらえればいい、と。

 

 

そこで金田さんは、家族との大切な時間を過ごす場所としていちばんに選んでもらえるにはどうすればいいのかと考えました。

 

そして私の考案した「FUVSの法則」を活用してストーリー性のあるチラシを考え、制作しました。この「FUVSの法則」で連続性を持たせたチラシを、私は「ストーリーチラシ」と命名しました。

12話 画像.png

自分のことを知ってもらい、地域のお客さまとの人間関係づくりを目的としている「若富」のチラシ。幼い頃の写真を使うことで、店長の人柄がよく伝わってくる。

 

図2.png

店は元気発電基地。顧客と店長の信頼関係がチラシ全面から感じられ、暑苦しいほどのメッセージが熱狂的な共感を得ている。

 

図3.png

 

ストーリーチラシはお客と地域を特定する

 

ストーリーチラシは伝える相手が違えば、表現も違ってきます。

対象となるお客さまが年配者の場合は筆文字で書いたり、30歳代の子育てをしている女性が対象であるのならクレパスで描いたり、お客さまに合わせてアプローチに変化をつける必要があります。

 

またチラシの場合、特に重要になるのがどの地区からお客さまが来店してくれているかを知ることです。チラシの配布範囲を決めるために重要な情報なので、顧客名簿などを使ってあらかじめ把握しておいてください。

 

 

顧客名簿がない場合は、お客さまにアンケート調査をするなどして、来店してくれているお客さまの居住地域を特定するといいでしょう。住所を明かすことに躊躇するお客さまがおられるときでも、郵便番号だけなら住所が特定できないので、比較的多くの人が抵抗なく答えてくれます。

 

あなたのお店のお客さまがどこの地域から来ているかが分かればそれで十分です。だいたいの地域が分かったら地図に印を入れて、商圏を絞り込みます。個人の店なら、店舗を中心に半径500m圏内が主要なエリアになることが多いようです。

 

 

最近は新聞を購読していない家が増えているので、折り込み広告だとなかなか商圏内にくまなく、というわけにはいかなくなっていますが、ポスティングなどを活用してみるといいでしょう。

 

金田さんは毎月一度、定期的に特定地域のご家族にチラシをポスティングして届けました。

 

しばらくすると、想定以上の反響があり、反響は1ヵ月後の来店数に表れました。その後も「チラシを見た」というお客さまが次々と増えていきました。一度きりで完結せず、連続性のあるチラシが認知されて、より共感を高めていったのです。

 

 

商品の機能や性能ではなく、思いや情熱、もしくは自分が日々どう生きているかが重要になるということは、見方を変えれば非常に良い時代ではないかと思っています。なぜなら、まず企業規模の大小はあまり関係ないからです。商品の機能や性能が業界横並びでも、いくらでもやりようが出てきます。価格競争に走って利益を削ることもありません。

 

さあ、あなたも実体験に基づいたストーリーチラシを、まず自己紹介から作ってみましょう。

 

 

 

 

 

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