これまで先進国が独占してきた情報や技術は、デジタル革命の躍進で瞬時に世界をめぐり、新興国の経済発展は加速。先進国との経済格差を縮めている。
また、先進国賃金は低下し、新興国賃金は上昇するので、先進国消費は落込んで経済停滞する一方、新興国消費は伸びて経済成長に繋がっている。新興国市場への進出は、もはや国家の維持成長に欠かせない戦略である。
そこで、成長地域(BRICs、ASEAN、ロシア東欧、中東アフリカなど)の国と企業に投資するファンド、インフラや鉱物資源関連のテーマ型ファンドなど、資産運用に新興国成長を取込み好調な時期もあったが、欧州危機などの影響で現在の運用は厳しい。
そもそも新興国の情報収集は個人投資家には難しいので、専門家によって分析、組成されたファンドが合理的だが、市場動向によっては専門家でも運用成績が不調な時期もある。そういう状況でも、自分が納得できる『新興国投資』がないだろうか。
国内における情報収集では、やはり日本企業の情報が一番確度が高い。故に新興国市場に強い日本企業に投資して、新興国成長を取込むことができる。例えば、「新興国市場に強い企業」と「日本再生戦略」に合致する企業を、投資先に選定できる。
目前の変動に迷わず、中長期の戦略的テーマ設定に基づく資産運用に徹すれば、自立した投資家たる意識も、運用成績に対する満足度も共に高まるだろう。
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