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- 第80回 宇宙飛行に成功
2021年7月11日に、ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)社の「VSS Unity」による22回目(有人宇宙飛行は4回目)の宇宙飛行に、英ヴァージン・グループ創始者リチャード・ブランソン氏ら6人が搭乗、最高高度86.1kmに到達後に搭乗者は数分間にわたって無重力状態を体験、ブランソン氏は機内からリアルタイムにビデオメッセージを配信し、その後無事に帰還した。
この飛行は、米軍や米連邦航空局(FAA)が定めている80km(50マイル)以上とする宇宙空間の基準をクリア、飛行の模様はYouTubeなどネットでライブ配信された。
アームストロング船長が月面に着陸した記念日である7月20日には、ネット通販のアマゾン創始者のジェフ・ベゾス氏も自身の宇宙旅行会社ブルーオリジンが開発したロケットで宇宙飛行を行う予定になっている。
「ブルーオリジン」にはベゾス氏と弟のマーク・ベゾス氏、宇宙飛行を行う史上最高齢(82歳)の人物となる女性宇宙飛行士の草分けウォリー・ファンクさん、オークションで搭乗権を2,800万ドル(31億円)で落札した匿名の参加者の4人が搭乗する予定だが、今年は特殊な訓練を受けた「宇宙飛行士」ではない一般の人でも宇宙空間を体験できる「宇宙旅行時代」の幕開けとなる。
■宇宙旅行時代
冒険家という側面も持っているブランソン氏は、1998年に世界初の熱気球での世界一周への試み(ハワイ付近に不時着)、1985年に最速の大西洋横断への挑戦(船が転覆)などを行ってきたが、今回の宇宙飛行への挑戦は無事に成功した。
今回の宇宙飛行は、今後の有料顧客に飛行の安全性を証明する意味でも重要で、民間の商業宇宙旅行の新時代の到来を告げる重要な節目となった。
ヴァージン・ギャラクティック社は、6月にFAAから顧客が搭乗できる商業宇宙輸送事業者の免許を得ており、今後2回の有人飛行試験を行った後に、2022年に商業宇宙飛行を開始する計画で、1人25万ドル(2,700万円)とされているこの宇宙飛行には、既に600名の搭乗予定者がいる。
電気自動車(EV)テスラのイーロン・マスクCEOが率いる、宇宙ステーションへ宇宙飛行士や物資を届けている「クルードラゴン」を運行しているスペースX社も、年内にさらに高度な宇宙へ有料旅客を届ける計画があり、宇宙への旅が夢ではなく現実になりつつある。
スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」という映画があったが、2021年は「宇宙旅行元年」として記憶される年になりそうだ。
======== DATA =========
●ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)
●ブルーオリジン(Blue Origin)
●スペースX(SpaceX)