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人事・労務

第18話 管理監督者2つの重要仕事

「賃金の誤解」

 週休2日の会社であれば、従業員は例外なく月曜日の朝8時過ぎから金曜日の5時過ぎまでの週5日間働きます。おおげさに言えば従業員は何よりも大切な「人生のゴールデンタイム」の大半と「仕事をする能力」(以後、仕事力と言う)を企業に提供しています。
 
 会社もまた従業員の「仕事力」を仕入れ、適材適所に配属し、所定内勤務8時間を目安とした時間の中で能率よく活用し、成果と結び付けているはずです。
 
 会社の中で組織を束ねる責任者・管理者の重要な役割は部下である従業員の「①大切な時間」を預かる「労働時間の管理責任者(タイムキーパー)」です。同時に提供されている「仕事力」を活用し、成果に結び付ける「②職場の品質管理の責任者」でもあるのです。
 
 つまり、管理職に求められる2つの重要仕事とは部下の「貴重な労働時間」と「仕事力」を預かって、それを無駄なく活用しながら、段取りよく仕事を推し進め、同時に職場全体の調和と仕事の質を高め、管理監督者として企業業績に貢献する成果責任を担っていると言うことです。
 
 管理監督者の役割は仕事の品質と量(成果)の管理責任者であり、そうした役割を一連の業務報告制度のひとつとして、年に2回、成績評価制度に即して「成績評価報告書」を作成し、部下の努力の結果を会社に報告する義務があります。
 
 会社が一方的に評価するのはおかしいと言う声もあるかも知れません。しかし評価は他人がするものであり、自分で自分を評価するだけでは自己満足に過ぎません。組織の一員として、評価されてはじめて価値が生まれます。
 
 管理監督者には部下の「仕事の質と量」を速やかに評価(判断)する責任があり、組織は常にワンマンワンボス、直属上司はただひとりでなければなりません。判断の鈍いワンマン・ボス多数の肥満組織であってはならないのです。
 
 その評価結果(評語)に基づいて、賞与を支給し、公正な賃金制度を運営管理することは会社の重要な責務であり、従業員も自己の努力と成果が認められ、正しく処遇に反映されることを切に望んでいます。その要求に組織として応えることができなければ、従業員のモラルの維持向上も、企業の継続的な発展もあり得ません。

 

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