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- 第81回 ニンテンドースイッチ
昨年のコロナ禍での「巣ごもり需要」で、「あつまれ どうぶつの森」(通称「あつ森」)が1年間で2,085万本を販売する記録的な大ヒットとなり、このゲームをするためのゲーム機「ニンテンドースイッチ」の販売台数も2,883万台と、2017年の発売以降年間で最多となった。
これにより、任天堂は2021年3月期決算で売上が1兆7,589億円と前年比34.4%増、最終利益が4,803億円で前年比85.7%増と過去最高となった。
しかし、5月の決算発表時には「来年3月期の業績見通しは、昨年度の反動などで売上げが9%減少、最終利益も29.2%減と予想」と反動を予想していた。
■ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング
ニンテンドースイッチを使い、誰でも手軽にゲーム制作を体験できるプログラミングソフト「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」は、6月11日に発売されると2週連続でトップセールスを記録するなど、好調な売れ行きを示している。
このプログラミング体験ソフトは、初心者や子どもでもステップバイステップの誘導で基本のゲームづくりが進められ、親などに助けを求めなくとも最後までゲームを完成させられるようになっている。
80種類の役割(ジャンプする、音を鳴らす、ゲーム画面に人を表示する、計算をする、タッチしている位置を示す)を持つ擬人化された「ノードン」と呼ばれるキャラクターを結びつけてゆくことでゲームをより面白くし、完成できるようになっているところが特徴で、実際に任天堂のゲームを作っている現場でもこういうものを使っていろいろなゲームが作られているのではないかと感じられ、ゲーム制作の疑似体験ができるし、プログラミングに対する興味や理解も深まった。
プログラミング学習で使われることが多い「スクラッチ(Scratch)」というプログラミング言語は、「if文」(条件によって動作を変える)による分岐の流れなどを直感的に理解するのには役立つものだが、できることが限られていものが多く、子ども達はある程度できると飽きてしまう場合があった。
「はじめてゲームプログラミング」は「意地でも最後までゲームを作らせる!」というコンセプトのもと、複雑なことをわかりやすく説明されており、鬼ごっこ遊びから本格的な3Dゲームまで、レベルの異なる7本のゲームがガイドに沿って作れるし、オリジナルゲームも作ることができる。
また、随所にキャラクター達から「おめでとう」「ちゃんと理解できてるね」「プログラミングの才能を感じます」などの応援や称賛メッセージが送られてくるので、やる気が出る。
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化、2021年度から中学も実施され、小中学校ではプログラミング教育が行われているが、それらに役立つ「教材」としてよりも、いつも遊んでいるゲームの裏側を覗き、自分で作ってみることによる「職業体験」的なものとして面白く、初心者にモチベーションを上げなら理解を深めてもらう、企業の「教育手法」としても応用できる素晴らしいソフトだと感じた。
======== DATA =========
●ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング
価格:2,980円
メーカー:任天堂
●Scratchではじめよう!プログラミング入門
スクラッチはScratch財団がマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ・ライフロングキンダーガーデングループと共同開発した8〜16才向け無料の教育プログラミング言語