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戦略・戦術

第256号 6兆7000億円

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 この数字は、2017年の楽天とヤフーの取扱高、そして米アマゾン・ドット・コムの日本事業の売上高を合算した金額である。楽天は13%増の3兆4,000億円、ヤフーは14%増の2兆500億円、アマゾンは10%増の119億ドル(1兆2,500億円)と、3社がそろって2ケタの伸びをみせている。経済産業省によると、16年の個人向け国内電子商取引の規模は約15兆円となっており、このネット通販大手3社がその4割程度を占めている計算だ。
 
 ネット通販はスマホの普及、SNSによる情報量の増大などにより、年々身近なものになっている。総務省によると、17年にネット通販を利用した世帯(2人以上)は34%と前年から6.5ポイント上昇し、1世帯あたりの毎月の消費額も初めて1万円を突破。食品や日用品の取り扱いを強化したりすることで、人々のライフスタイルにネット通販が着実に浸透したことが窺える。
 
 一方、2017年の全国百貨店売上高は、5兆9,532億円で前年割れとなり、ネット通販大手3社が百貨店全体の売上を抜いたことが明らかとなった。また国内小売業で売上規模が最大のスーパーも、17年の販売額は12兆9,175億円と2年連続で減少している。
 
 このようにネット通販が有店舗系業態を脅かしており、日本の小売業の構図を大きく変貌させているが、昨年あたりから、業界の垣根を超えて共生を模索する動きが活発になっている。
 
 たとえば米ウォルマート傘下の西友は、楽天と提携し、生鮮品や日用品を扱うネットスーパー「楽天西友ネットスーパー」を今年9月までに協働運営する計画だ。両社の強みを活かして、配送能力の拡大、品揃えの拡充、利便性の強化を行い、「楽天スーパーポイント」も導入する予定である。
 
 またイオンはヤフー・ソフトバンクと提携して3社共同でネット通販事業に乗り出す。イオンの店舗や物流網と、ヤフー・ソフトバンクのIT技術のノウハウを組み合わせ、新しいサイトを開設するという。そしてセブン&アイ・ホールディングスは、昨秋、ヤフー傘下のアスクルと提携してネット通販「IYフレッシュ」を開始し、「ロハコ」を通じて野菜や生鮮食品、調理キットの共同配送に取り組んでいる。
 
 このように各連合は、自社の強みや特徴を活かして、アマゾンに対抗すべくネットと店舗の融合を加速させている。今年は、この連合間競争が一層激しくなる様相だ。
 
 

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