menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第173話 決算対策の時期ですよ

強い会社を築く ビジネス・クリニック

日本の会社は3月決算が多いですが、

決算まで残り3カ月ちょっととなりました。

 

私は、この時期になると、今年の決算対策は、どう考えているのか?と顧問先に尋ねるようにしています。読者のみなさまは、いかがお考えですか?

 

ほとんどの会社は、「まだまだ決算まで3カ月あるし・・・」

などとおっしゃって、のんびりと構えておられます。

 

ところが、そういう会社にかぎって、決算ギリギリになると、

「あれ、思ったおり利益が出そうだ!このままだと、たくさん税金を払わなければいけなくなる。何か対策を考えよ!」と焦って税務対策を打たれるのです。

 

焦って期末ギリギリに税務対策をうつと、ろくなことがありません。

 

期末付近の取引は、税務調査でよくみられるポイントです。

また、対策が小粒にならざるを得ないし、大きな対策を実行したとしても、焦って対策をとれば、どうしてもヌケ・モレが出てきてしまうのです。

 

私は、いつも「先行管理しなさい」と申し上げています。

子供の夏休みの宿題のように、

休み明けギリギリになって慌てて宿題をするな、

前半で宿題を片付けなさい、と申し上げています。

 

会社経営でいえば、期の前半で、今年の予算(売上、利益)を確保し、

後半は、来期のための種まきをする(経費を使う)のです。

 

さて、決算対策の項目を以下に簡単にまとめますので、

わが社で使えるものがないか、検討をしてください。

 

まず考えるべきなのは、お金の支払を伴わない節税です。

 

1.売掛金、未収金等で回収不可なら、損金(貸倒)処理する

・相手先別に残高をチェックして、

 前期末と当期末の残高が同じものは注意。

・「努力しても回収できない」という証拠集め

 を徹底して行うこと(電話、訪問、書面)。

 

2.売上債権等に対して、「貸倒引当金」を計上する

・債権額の1%程度が損金処理できる (ただし、業種で異なる)。

・回収サイトが長い会社は使いたい

・対象は、未収金、貸付金等も含まれる

 

3.原材料、仕掛品、製品などで、動きのない在庫は、安く売却する、もしくは、廃棄する

・アイテム別に残高をチェックして、前期末と当期末の残高が同額のものに注意。廃棄が嫌なら子会社への売却を検討する。

 

4.在庫評価について、低価法の届出を行う

評価損を行わず、帳簿価格から時価まで評価を落とすことができる。

 

5.特に製品に関して、原価割れでしか売れないのは、評価損として落とす

・季節商品の売れ残り

・新製品発売による型落ち

※破損、型崩れ、棚ざらし、品質変化は対象外

 

6.貯蔵品(消耗品等)は、損金で落とす

・毎期、同じように使うのであれば許容される

・ただし、期末に一括購入は注意する

 (法人税法基本通達 2-2-15 参照)

 

7.貸付金(特に子会社に対するもの)で回収できないものは貸倒処理する

・支援をしなければ今後より大きな損失を被る

・子会社の倒産回避のため、やむを得ず行うもので、合理的な再建計画に基づく場合

・もしくは、子会社を潰す(特別清算)方法も。

 

8.業績が悪い子会社株式は、評価損を計上する

1株当たり純資産価額が取得時の50%以下で、近い将来その価額の回復が見込めない場合

 

9.固定資産台帳を見直し、帳簿にあって、現実にないものは、除却損を計上する

・社歴が古い会社ほど、注意が必要。管理がおざなりの会社だと、そもそも、固定資産台帳の作成が不正確になっている。

 

10.使わない設備等は、「今後使わない」という意思決定のもとで、”有姿除却”(ゆうしじょきゃく)する

・使用廃止、今後通常の方法で使わない

・金型等で、使用される可能性がとても低い取締役会議事録で、「今後使わない」と決議

 

11.電話加入権を売却し売却損を計上する

・売却先は、グループ会社または社長個人

・NTT「116」に電話して、”電話加入権譲渡承認請求書”を申請する。

・1本1,500円程度で、譲渡契約書を交わすこと

 

12.未払給料を計上する(従業員)決算賞与を未払計上する

・例えば、15日締めの場合は、半月分が、未払として計上できる(役員報酬は対象外)。

 

13.請求締日未到来の未払費用を計上する

(例)リベートの未払い計上

 

 

次に、お金の支払を伴った節税、つまり、いかに支払ったお金を経費として落とすか?の話です。

 

14.30万円未満の備品等は、損金に落とす

「少額減価償却資産」と呼ばれる処理。見積書、請求書を”~一式”とせず、細分化。ただし、年間300万円までが限度。

 

15.即時償却を行う(R3.3月末まで)

・生産性をあげる投資(A型)

・収益力を向上させる(B型)

・に加えて、新たにC型が設置

C型はコロナ対策として、新たにつくられました。

対象設備は、下記いずれかを実現するもの。

①遠隔操作 ②可視化 ③自動制御化

 

16.特別償却を行う(R3.3月末まで)

使い勝手がよい特別償却は、

・中小企業投資促進税制

・商業サービス業農林水産業活性化税制

いずれも、取得金額の30%を特別償却として上乗せできる

 

17.中古資産

中古資産の耐用年数は、下記の通り。

(法定年数-経過年数)+(経過年数×20%)

最も短くて、「2年」となる。定率法を採用して、

期首から使うのであれば、購入金額の全額が損金計上できる。

 

18.修繕費で落とす

「原状回復、維持管理」に該当すれば修繕費。

見積書、請求書等をそのようにしてもらう。

ただし、全くのでっち上げは当然NG。

 

19.複数の資産を一括で取得した場合に、耐用年数の短い資産の割合を増やす

・例えば、土地付建物であれば、減価償却ができない土地の割合を減らし、建物を増やす。建物より、耐用年数が短い建物附属設備、機械、備品などの割合を増やすことを考える。

 

20.新規で取得した固定資産の耐用年数が適切に(短く)設定されているか確認する

・税理士事務所に任せると、耐用年数が長く設定されることがあるため、注意が必要。

 

ぜひとも決算対策に、お役立てください。

 

第172話 手形決済期限が120日以内から60日以内になります前のページ

第174話 「純現金収支」って何のこと?次のページ

関連記事

  1. 第110話 私は声高に売上!売上!とは申しません

  2. 第65話 「今、経営者に求められる、雇用に対しての考え方」

  3. 第46話 「倒産の真因」

最新の経営コラム

  1. 第183話 ボタンを掛け違えたM&A

  2. 第153話 さとう@川崎市☆新百合ヶ丘 ~地域密着でがんばる凄い海鮮ちらしの寿司屋

  3. 第195回 BCP(ビジネス・コンティニュー・プラン=事業継続計画)について

アクセスランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. サービス

    90軒目 ニューヨーク”Sushi”事情
  2. 教養

    第34回 『なぜか結果を出す人の理由』 (著:野村克也)
  3. マネジメント

    万物流転する世を生き抜く(42) 石田三成を翻弄する家康の智謀
  4. マネジメント

    第四十話 過ぎたらダメ(スカイ.A)
  5. マネジメント

    挑戦の決断(30) 平安遷都(桓武天皇)
keyboard_arrow_up