コロナ騒ぎにおいて経済新聞をみていると急に「コミットメントライン」「劣後債」「社債」なる借入金資金調達の単語が多く出てくるようになりました。
この言葉は、別の機会に説明するとして「純現金収支」という言葉が多く見かけられるようになりました。
前の「コミットライン」などを「暗」とすれば、「純現金収支」は「明」とするところでしょう。
「純現金収支」とは 私が20年前から申し上げているキャッシュフローのことです。専門家は、FCF(フリーキャッシュフローと言ったり、営業キャシュフローと言ったり、トータルキャッシュフロー(営業CF、投資CF、財務CF)といったりで知識のない者は、ややこしくて混乱してしまいますね。
キャッシュフローとは、経営活動、利益創出活動をしているわけですが、常に経営者は利益をたたき出そうとして、必死に働いているのです。そして、その証の損益計算書を作成し、売上は、原価は、粗利は、労務費を使って、販売管理費は金利を支払って、いくらの経常利益をたたき出したかと考えているのです。
しかし、その利益金額は、本当に会社に残り、使えるお金となっているのでしょうか? 法人税を支払った後の純利益額は前年度より増えても、会社にはなぜか現金が残っていません!
キャッシュが多く生まれてこない限り、有利子負債は減少しないで、いつまでも借金漬けになっているのです。
コロナ禍でつくづく借金体質では駄目だと身をもって感じた方は多かったのではないでしょうか!
投資が減額したり、借入金の返済が減少したり、在庫調整を行ったり、回収支払いサイトの改善を行い、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフロー(投資キャッシュフローを加える)の改善を図れば、現金収支がプラスになり、使える現預金が増加するのです。
コロナ禍環境の中で どこの企業も借金調達に走っていると思われますか?
私の感覚から申せば
大幅な減益 33%
小幅減益 33%
変わらず、むしろ増益 33%
と思われます。
良きにつけ、悪しきにつけ 有利子負債(短期・長期借入金)を減ずる対策、すなわちキャッシュフロー(使えるお金)をどうすれば増やせるのか、キャッシュが増えれば借金は返せるのです。コロナ禍でも考えたのではありませんか?
借金すれば返済が大変なのです。
対策は
・適正在庫はいくらか、不良在庫は何か?
・売掛金勘定を短くできないか、短縮交渉しているか?
・現預金は月商の二分の一にできないか 余ったお金は返済に回しているか?
が一番の課題だが
・貸付金は回収しているか
・減価償却を早める、確実に行っているか
・不良資産を特別損失計上しているか
あくなき利益追求(営業利益、経常利益)を行い、フリーキャッシュを求めて金回りの良いキャッシュリッチな会社づくりをして欲しいのです。
キャシュフロー = 減価償却 + 税引後純利益 + 特別損出 なのです。
この方式をご存知ない方が多すぎるのです。
即時償却も2年延長されました。減価償却を増やすのもチャンスです。
考えてみてください
①当期純利益額 = 当期現金増大額
②当期純利益額 〉 当期現金増大額
③当期純利益額 〈 当期現金増大額
①のように当期純利益高が当期現金が残高とイコールして増大しているだろうか?
これは素晴らしいことです。
②のように純利益高は増大しても現実に現預金が決して純利益額より多くならないのが普通です。
現金で売上を受け取る、前受け金で受け取る、売掛金が減少する、また、売れて!売れて! 在庫商品が空っぽになるいい環境。
設備投資しても減価償却期間は17年や20年と長く、長期借入は10年であれば減価償却だけでは賄いきれないのです。
中小企業はいつも現金不足に泣かされます。嘆いてばかりで私から申し上げればキャッシュフローをよくする努力を会社全員がしていないのです。
「小口現金」なるものでも当たり前と思っているのです。今や小口現金なるものは必要でしょうか?
考えてみてください。