menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

戦略・戦術

第29話 「金利は中小企業でも低金利で借りられる」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

  北陸の地方都市で企業の宴会に出席しました。私の両隣には地元の地方銀行の重役や地元信用金庫の支店長が座っておられました。
 
 私は、地方銀行の役員に質問を投げかけてみました。
 
「この頃、プライムレート(最優遇金利)という言葉が死語になりましたね・・・」
 
「はい! そうですね。なくなりましたね」
 
「銀行内ではどうおっしゃっているのですか、新しい超優遇レートのことを」
 
「ハア??・・・」
 
「TIBOR(タイボ)プラス スプレッド、これらの金利率の事を何と表現していますか・・・」
 
「そうですね。市場連動型変動性優遇レートでも言っているのでしょうか・・」
 
「えらく長い言葉ですね。新プライムとでも言った方が・・・なぜこんな低いレートが秘密裏に出回ってきているのですか?」
 
「メガバンクですよ! 三大メガバンクは私達のこの県においても中小の優良企業にこのレートで攻撃してきており我々も対抗上、出さざるを得ない のですよ。まったく困った事です。」と地方銀行の役員は嘆いていました。
 

 私は、仕事上多くの会社の金融調達事情を知る立場にある。
 
例えばA社、
 
 関西の地方の町に(市ではない)本社があり、年商180億円、経常利益8億~3億を行ったり来たり、自己資本比率は20%であり、安定性は決 してすぐれてはいない。創業110年と歴史のある全国販売の食品メーカーである。この企業の長期借入金(7年もの)の金利のスプレッド(上乗せ金利)が 0.1%を切ったのである。(平成20年7月)
 
 まずタイボ【TIBOR】なるものは、【TOKYO  IN BANKING  OFFER RATE】すなわち東京市場銀行間取引金利は毎日、日本経済新聞17面のマーケット総合2の左端の短期金融市場覧に1日、1ヶ月、2ヶ月、 3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年と載っている。すなわち、1ヶ月物のTIBORが0.64417%であれば上乗せ金利(スプレッド)が0.1%となると 0.74417%となるのである。
 
 金利を1ヶ月もので実行すれば毎月金利が変動するのである。
 
 このスプレッド(上乗せ金利)の根拠、その企業にいくらのせるのか、この数年調べているがさしたる合理的根拠がないようです。
 

 ちなみにスプレッド(上乗せ金利)タイボ、プラス スプレッドなる市場連動、変動性金利を調べるのも経営者の役目ですよ。
 
 0.1%を切ったのはメガバング、0.1%をその前に持ってきたのは地元信用金庫、その前の0.2%は県外の地方銀行が持ち込んだもの、正に 銀行間の熾烈な闘いが繰り広げられているのです。中小企業の経営者は未だにこの事をご存知ない方が結構いらっしゃいます。

 

第28話 「B/Sの読めない銀行の支店長に出会うと大変だ!!」前のページ

第30話 「強い交渉人 ハードネゴシエーターたれ!」次のページ

関連セミナー・商品

  1. 第38期「後継社長塾」

    セミナー

    第38期「後継社長塾」

  2. 井上和弘の経営の核心102項

    井上和弘の経営の核心102項

  3. 井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

    音声・映像

    井上和弘『経営革新全集』10巻完結記念講演会 収録

関連記事

  1. 第197話 「自己資本を考える」

  2. 第212話 「税務調査にひるむな!」

  3. 第101話 「危機感をもっていました人手不足時代が 又 やってきました part3」

最新の経営コラム

  1. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年11月20日号)

  2. 第七十八話 展示会後のフォローで差をつける「工場見学の仕組みづくり」

  3. 第219話 少人数私募債の相続対策

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. 教養

    第12回 ワインの保存について
  2. 新技術・商品

    第84話 「名物」と決めるのは誰か!?
  3. 戦略・戦術

    第135話 「M&Aの相談が増えています」
  4. マネジメント

    第264回 標準化できない仕事
  5. マネジメント

    第343回【勝ち組企業づくり編⑥】ルールは少ないほうが良い〈後編〉
keyboard_arrow_up