北陸の地方都市で企業の宴会に出席しました。私の両隣には地元の地方銀行の重役や地元信用金庫の支店長が座っておられました。
私は、地方銀行の役員に質問を投げかけてみました。
「この頃、プライムレート(最優遇金利)という言葉が死語になりましたね・・・」
「はい! そうですね。なくなりましたね」
「銀行内ではどうおっしゃっているのですか、新しい超優遇レートのことを」
「ハア??・・・」
「TIBOR(タイボ)プラス スプレッド、これらの金利率の事を何と表現していますか・・・」
「そうですね。市場連動型変動性優遇レートでも言っているのでしょうか・・」
「えらく長い言葉ですね。新プライムとでも言った方が・・・なぜこんな低いレートが秘密裏に出回ってきているのですか?」
「メガバンクですよ! 三大メガバンクは私達のこの県においても中小の優良企業にこのレートで攻撃してきており我々も対抗上、出さざるを得ない のですよ。まったく困った事です。」と地方銀行の役員は嘆いていました。
私は、仕事上多くの会社の金融調達事情を知る立場にある。
例えばA社、
関西の地方の町に(市ではない)本社があり、年商180億円、経常利益8億~3億を行ったり来たり、自己資本比率は20%であり、安定性は決 してすぐれてはいない。創業110年と歴史のある全国販売の食品メーカーである。この企業の長期借入金(7年もの)の金利のスプレッド(上乗せ金利)が 0.1%を切ったのである。(平成20年7月)
まずタイボ【TIBOR】なるものは、【TOKYO IN BANKING OFFER RATE】すなわち東京市場銀行間取引金利は毎日、日本経済新聞17面のマーケット総合2の左端の短期金融市場覧に1日、1ヶ月、2ヶ月、 3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年と載っている。すなわち、1ヶ月物のTIBORが0.64417%であれば上乗せ金利(スプレッド)が0.1%となると 0.74417%となるのである。
金利を1ヶ月もので実行すれば毎月金利が変動するのである。
このスプレッド(上乗せ金利)の根拠、その企業にいくらのせるのか、この数年調べているがさしたる合理的根拠がないようです。
ちなみにスプレッド(上乗せ金利)タイボ、プラス スプレッドなる市場連動、変動性金利を調べるのも経営者の役目ですよ。
0.1%を切ったのはメガバング、0.1%をその前に持ってきたのは地元信用金庫、その前の0.2%は県外の地方銀行が持ち込んだもの、正に 銀行間の熾烈な闘いが繰り広げられているのです。中小企業の経営者は未だにこの事をご存知ない方が結構いらっしゃいます。