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戦略・戦術

第69話 「金利にガメツクなれ!」

強い会社を築く ビジネス・クリニック

『銀行とは天気の良い日に傘を貸してくれて、雨の降る日には傘をもぎ取るところ』といわれている。
 
皆さんの会社に、今、銀行から「お金借りてくれませんか!」とせっせせっせと銀行員が来ませんか?
今、銀行から返せ、返してくれと言われている会社は、これをお読みくださっている会社にはないと思うのですが・・・・いかがでしょうか?
こちらが資金を必要としない時に、どうぞ!どうぞ! と銀行は勧めに来るものなんです。
 
銀行員にちょっとおだてられると、気は悪くないですから『借りてもいいか』と考えませんか?
今、そのように銀行が来訪することを静かに考えてみませんか?
「わが社が優良企業なのか、単に世の中に(金)が余っているだけなのか」と・・
 
今はお金(傘)を押し付けにきているだけなのです。金が(傘)余っている時代なのです。
このような時、このような環境の時は
【1】 金を借りない! 
【2】 借りた金を多めに返す! 
【3】 そして金利を下げる! 
【4】 入れている担保を外してもらう!
【5】 差し入れた個人保証は解いてもらう!

の5つの項目で取引銀行と厳しい交渉をやることです。
 

具体的な対策として
【1】 金を借りない!
・現金預金残高を月商の3分の2まで落とし、それ以上の現預金は
 返済金にまわす
・自社の売掛金のサイトを厳しく管理して回収を早める
・受取手形は裏書きして回すか、銀行で割引にする
・在庫商品 原材料を徹底して省く
 
【2】 借りた金を返す!
・借りる難しさを言うバカな人がいるが、銀行に早期繰り上げ返済する方が
 難しいのです。一度やってみてください
 
【3】 金利率を下げる
資産といえばかっこがいいが今や企業の持つ資産はほとんど含み損を抱えているのが現実です。取引銀行も知っています。
・資産圧縮すれば、自己資本比率が上がる
・金利の低下方法は銀行の言うギアリング比率をよくすれば必ず下がる
・今や長・短借入金利率は0.5%を目指す
 
【4】 担保を白紙にする
・不動産担保、個人保証担保、今やこんなものは銀行借り入れする時には
 不必要な時代です
・必要と思っている時代遅れの経営者がまだ、いらっしゃいます
・この10年で私の顧問先はすべてこれを可能にしました
 
私がほらを吹いているわけではありません。多くの経営者を銀行の呪縛から解放しました。
 
私が訪れる多くの会社の総務、経理の管理者は、「電力会社が危ない、省エネ、省資源だから事務所もトイレも電気をこまめに切れ!」と、口酸っぱく言っています。
 
電気の無駄遣いをしていいとは全く思っていませんが、経理部長にそっというのです。「電気の節約より銀行支払金利をもっと下げろよ!これを下げた方が手っ取り早く、絶大なる効果が出るんだがねー そう思わんかい?」
私ににくってかかる人物は、皆無です。それではそうしたらいいのに。
 
「支払金利が高いのですが・・・しかし、銀行がなかなか下げてくれないのです!」との答えが返ってくる。
 
まるっきりわかっていないのです。
この世の中、銀行の方から
「御社からは、高い金利をいただていますから下げましょう」などと言ってくるはずはないのです。
「強い交渉をやっているのですが、わが社も多くの長・短借入をお願いしていますので条件面で強く出られないのです」との返事がよく返ってきます。
 
銀行が悪い奴であなたの会社の金利を下げないのではないのです。
貴方の会社のバランスシート(B/S)が悪いからです。
良質なB/Sを作ること。具体策を経営方針に明確に入れないからです。
また、入れてもそれを厳しく追及する。いや、システム(制度・仕組み)で取り込まないからいくら言っても金利は下がらないのです。
 
優良企業では、在庫(原料、副材料、商品在庫)に枠をはめ、売掛金、受取手形、現預金にも枠をはめ、オーバーした分には罰則金利をつける。
機械設備もレンタル、リース、貸工場、貸倉庫などを活用して総資産回転率を上げていく。
自己金融つまり 物 → 金 → 物 → 金 の回転スピードを上げれば財務比率は好転し、銀行からみると企業のランク付けが上位となり、当然、こちらからの厳しい要求をのまざるを得なくなるのです。
 
資産が多すぎ、眠らせておけば金利奉公しているばかりです。
支払金利を下げれば大きな経費削減になるのです。

 

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