【写真出典: エプソン EH-LS500】
会議やプレゼンテーションで、大画面を用いて情報を共有するのに重宝するプロジェクター。家庭でもスクリーン大画面で映画を鑑賞する「ホームシアター」に、なくてはならない機材です。
一方、プロジェクターを経験したことがある方なら、設置性に難を感じた方も多いことでしょう。製品にもよりますが、プロジェクターは通常、100インチクラスの画面サイズを得るのに、1.5~3m程度の投射距離を必要とします。テーブルの上に置く場合は邪魔になりますし、席に近いのでファンの騒音も気になりがちです。会議室などで天井に据え付けている場合、設置場所の問題は解決しますが、スクリーンとプロジェクターの間を人が通ると、影が映ってしまうなど、特有の扱いにくさがあるのは事実です。
こうしたプロジェクターの弱点を克服すべく登場し、最近話題になっているのが、超短焦点プロジェクターです。短焦点とは、投射が広角で、短い距離でも大きな映像が映し出せるという意味合い。例えば100インチサイズの映像を映し出す場合、標準的なプロジェクターは投射距離が3m前後、短焦点と呼ばれるタイプは同1.5m程度、そして今回ご紹介する超短焦点タイプは、僅か数十センチで済むのが最大の特徴。壁際など、投射面の間近に設置するので、ヒトが映像光を遮る余地もありません。そう、テレビ感覚で扱えるのがポイントです。(注: プロジェクターは通常、テレビ放送受信チューナーを内蔵していません)
超短焦点プロジェクターは各社から登場していますが、画質は最新の4K高解像に対応した製品も増えていて、プレゼンテーション用途のみならず、高画質を求めるホームシアター用途にも利用可能です。映像の近くに設置することから、スピーカーを内蔵し、オーディオとして利用できる製品が多いのも特徴です。
【超短焦点プロジェクター 製品例】
エプソン EH-LS500 (4K対応の高画質モデル。市場価格30万円前後。)
https://www.epson.jp/products/dreamio/ehls500/
https://youtu.be/-qfgkBo5Xhc (紹介動画)
このような超短焦点プロジェクターは、レンズや凸面鏡を用い、映像光を拡散するのが技術の要ですが、他にも、光源が旧来の高圧水銀ランプから高輝度LEDやレーザーに置き換わりが進んだことで、プロジェクターが小型軽量かつ映像が明るくできるようになったのもポイントです。LEDやレーザー光源は、ランプのように寿命や球切れの心配が無く、また、電源オンで瞬時に明るい映像が得られる点でも、テレビに近い使い勝手と言えます。
機能面では、Wi-Fiに対応し、パソコンやスマートフォンの画面をワイヤレスでミラーリング(ケーブルを接続することなく、同じ画面をプロジェクターから投射)できる製品も多いので、配線を少なくスッキリできるのも美点です。
オフィスでも家庭でも、テレビのように扱える超短焦点プロジェクター。一般的なプロジェクターで設置性に問題を感じていた方はもちろん、「これなら使いたい!」と思われた方も多いのではないでしょうか?
AV機器は日々進化しています。業務効率のアップにもお役立ていただければ幸いです。
因みに、天井照明のシーリングコンセントに取り付けられるプロジェクターも、省スペース性がうけて人気です。価格も手頃で、併せてご検討されると良いでしょう。