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第1話 新時代のマネジメント「行動科学」とは

行動科学マネジメント

  「行動科学マネジメント」は、「部下が自ら喜んで仕事をする」ということを望むリーダーに向けての全く新しいマネジメント手法である。これから5回にわた り、行動科学のエッセンスをお伝えする。

 一般的なリーダーや管理職は、多くの課題をもって日々の業務にあたっている。
 「プレイングマネージャー」と呼ばれる現代の管理職は、部下の育成、組織の運営、売り上げの管理、そしてリーダーとしての自己成長など、さま ざまな課題が会社から与えられているはずだ。
 そんなリーダーの抱える多くの問題は、人間の“行動”に焦点をあてた「行動科学」を知り、活用することで、ポイントをつかみやすくなり、無理 無駄な時間、労力を費やさなくて済むようになる。

 ここで紹介する「行動科学マネジメント」とは、行動分析学をベースとした科学的人材育成メソッドである。社員のやる気を引き出し、結果的に会 社全体のパフォーマンスを向上させる手法であり、これからの組織のリーダーのためのスキルといえる。

 ビジネスとは人の行動の集積であり、人を得てこそ事業は順調に成長する。企業経営において最も重要なのは人材の育成といえ。なぜなら、目標を 達成するのも人、問題を解決するのも人であるからだ。そのため人間の行動に焦点をあてたマネジメントが必要なのである。
 ところが、一般的な企業では、必ずしも行動に焦点をあてたマネジメントがなされていないように思われる。たとえば、仕事のできない部下に対し て、日本の上司はしばしば次のように叱責する。「なぜこんなことができないんだ」「常識で考えればわかるだろう」。
こうした言葉を投げかけても、部下の力は決して伸びない。逆にやる気をそぎ、ますますパフォーマンスを低下させてしまう。なぜなら、注意するに しても行動に焦点が当てられていないため、結果的に人格を否定することになってしまうからだ。

 だからといって、単純に「褒めて伸ばしなさい」と主張するつもりもない。部下を褒めることは確かに大切だが、褒めるだけで伸びてくれるなら誰 も苦労しない。叱るにしろ褒めるにしろ、行動に焦点があてられなければマネジメントとしての効果はないに等しい。一見、効果がありそうに見えながら、実は 部下のパフォーマンスを下げてしまうことも少なくない。 
 では、どのようにすればよいのか。次回以降、その具体的手法を「行動科学」を用いて説明していこう。

第2話 行動科学流「あいさつ」の教え方次のページ

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