製造業・建設業・ソフトウェア開発業では未完成原価の集計もれ

製造業、建設業、ソフトウェア開発業など、工程が事業年度をまたぐ業種では、未完成案件に投入した原価の集計が決算時の重要事項になります。
決算日までに発生した原価のうち、売上計上済みの部分に対応するものを除き、未完成部分に対応する金額は、仕掛品や未成工事支出金などの棚卸資産として計上する必要があります。
仕掛品には、原則として、完成・引渡し前の仕事へ投入した材料費、労務費、外注費、製造経費等が含まれます。
税務調査では、次のような処理が仕掛品の計上漏れとして指摘されます。
製造業では、外注先へ支給した材料や、加工途中で外注先に保管されている加工品を、自社の仕掛品台帳へ反映していないケースです。
建設業では、未成工事支出金に材料費だけを含め、案件に直接対応する労務費、外注費、現場経費を計上していない経理処理です。
ソフトウェア開発業では、プロジェクト別の作業時間を把握せず、開発中案件の人件費と外注費の全額を、当期の費用としていることがあります。
このように税務調査では、決算日時点で完了していない案件ごとに、材料費、労務費、外注費、経費について調べられます。
原価の検証には、案件別原価元帳、材料の受払記録、作業日報、勤怠データ、外注先の出来高請求、工程表などが使われます。
仕掛品の価額は、完成品ほど明確には把握しにくいものです。
まず案件ごとに決算日までの実際発生原価を集計し、材料の投入量や工程の進捗状況と照合します。
集計方法は業種や原価管理の方法によって異なりますが、合理的な基準を設け、毎期継続して適用することが必要です。
そこで、仕掛品の計上漏れを防ぐには、案件単位の原価集計が重要になります。
特に、労務費を計算するには工数の記録が必要ですから、勤怠システムから案件別の作業時間を出せるようにしておきます。
製造間接費の配賦基準は文書にして毎期同じ方法を使い、変更したときは理由を残しておきましょう。
進捗率は出来高査定書や工程表と一致させ、その根拠を案件ごとに保存しておくことが大切です。
仕掛品を計算する社内のルールを定めていますか?





















