- ホーム
- 社長のための“儲かる通販”戦略視点
- 第194号 24,943店舗
この数字は、セブン・イレブンがタイ・韓国・台湾・中国・マレーシアなど、アジア8カ国で出店した店舗総数である(2014 年3 月末時点)。
とくに、日米に次ぐ世界第三位のセブン大国となっているタイでは、今年始めに店舗数が7,600 店を越え、同国のコンビニ市場のシェアを65%も握るほど成長している。
タイにおけるセブン・イレブンのライセンス権を与えられた大手企業のCP オールが運営し、地域に根ざした独自の進化を遂げている。
バンコク中心部のビジネス街であるシーロム地区では、目抜き通りに焼き鳥や麺類、果物などのあらゆる屋台がびっしりと並び、通勤時間帯やランチタイムには、食事をする会社員たちでごった返す。
日本では見かけない光景で、その行列と活気に驚いたことを思い出す。
その過密エリアに、セブン・イレブンは約100メートルおきに店舗を構えており、競合相手にもなりうる屋台との共存共栄が大きな特徴となっている。
屋台が店の前で営業することは歓迎し、たとえ軒先に商品を並べても問題視しない。
屋台で食事をすることは当たり前で、飲み物やデザート類を買ってもらえばいいのだ。
そして、屋台と競合しないサービスとして、「カフェ化」も進めている。
入れたてのコーヒーを提供する機械を導入し、ブラック・カフェラテ・カフェモカなど種類を幅広く揃え、価格は、スターバックスの3 分の1 程度(60~110 円)。
さらに「焼きたてパン」の提供にも乗り出している。また、日本と同様に、公共料金支払いや宅配便の発送受付、格安航空会社の航空券の予約・販売も行うなど、サービスメニューを増やして需要を捉えている。
一方、国内3 位のファミリーマートも、中国や東南アジアでの出店を急拡大中で、「2020 年までに1 万8,000 店舗にしたい」と、国内店舗数を抜く高い目標を掲げている。
このように強気なのは、アジアのビジネスパートナーが各国の有力企業ぞろいで、ファミリーマート社長が「パートナーはドリームチーム」というほど、強力な布陣を実現できたからである。
国・地域の多様性を尊重しながら、人々の生活に密着することで潜在需要を掘り起こしてきたコンビニ。海外展開においては、日本流をカスタマイズして現地化することが最も重要であり、大手コンビニ会社においても、どのようなビジネスパートナーと組むかが成否のカギを握っている。