全業種共通の貯蔵品という盲点

在庫や仕掛品ほど問題になりませんが、貯蔵品は業種を問わず税務調査で調べられます。
貯蔵品とは、購入済みであっても、決算日時点でまだ使用・消費されていない物品のことです。
中小企業では、業績が良い年度に、節税になると考えて、決算前に会社案内や製品カタログ、販促用ノベルティなどをまとめて作ることがあります。
そのため税務調査では、広告宣伝費や消耗品費などの元帳から、印刷会社や販促会社への金額の大きい支払いが抜き出されます。
そのうえで、請求書に記載された部数、配布記録、決算日現在の在庫数量を比較し、残数の妥当性を確認します。
その結果、次のような貯蔵品の計上漏れが指摘されます。
・部数の多いチラシやカタログの印刷代を全額広告宣伝費としているが、期末時点で未使用のまま残っていたのではないか
・販促用のノベルティや試供品が、期末に一つも残っていないというのは考えにくいのではないか
また、郵便切手や収入印紙、回数券、プリペイドカード、商品券の未使用分が貯蔵品に振り替えられていない場合も調査されます。
包装資材や事務用品など、期末近くに大量に購入している場合は要注意です。
とはいえ、少額な物品まで決算のたびに一つずつ数えるのは手間がかかり、人手の限られた中小企業には現実的ではありません。
実務においては、事務用消耗品や広告宣伝用の印刷物などのうち、毎期おおむね一定数量を取得して経常的に消費するものについては、購入時に費用処理することが認められています。
ただし、これは同じ処理を継続していることが前提であり、決算前にまとめて購入して大量に残っている物品まで認められるわけではありません。
倉庫に積まれた販促品の残数を数えていますか?



















