戦費調達の重責を担う高橋是清がロンドン入りの前に米国に向かっ
米国産業は英国を追う勢いで急速な発展を遂げつつある。
サンフランシスコに上陸した高橋は、
ニューヨークで待ち受けていたのは一通の電報であった。
「ロンドンでは(外債)募集の見込みはない。
その信用を得るためにお前はいるのではないか、
説明が必要だが、横浜正金銀行は、明治維新後、
そこで、
「いまだにこれか」と高橋はいらだちつつも、
「米国に資金はある。英国が動けば必ず米国の金融、
高橋はニューヨークを発って英国に向かった。3月31日、
「必ず起債はできる。信用がないなら、
(書き手)宇惠一郎 ueichi@nifty.com
※ 参考文献
『高橋是清自伝(上、下)』 高橋是清著 上塚司編 中公文庫
『日露戦争、資金調達の戦い―高橋是清と欧米バンカーたち』
『日露戦争史』 横手慎二著 中公新書
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日露戦争の当時も今も、国際金融の中心地はロンドン、しかもシティと呼ばれる金融街である。英国のEU(欧州連合)離脱騒ぎが世界経済を揺るがしている理由でもある。