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第148話《下町で愛される肉屋の焼き肉屋》肉の醍醐

大久保一彦の“流行る”お店の仕組みづくり

 『肉の醍醐』がオープンしたのは2014年6月です。

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当時は、開店以来、夜に入れないくらい大盛況でした。そんなことで、初めて訪れたときは、ディナータイムを外して、ランチに訪問しました。

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 オーナーの金義広さんは初期のころにやっていた『飲食店繁盛会』をやっていたころからの会員で、非常に長いおつきあいをしております。

 改装する前の『キッチャン』をやっていたころから、肉売り場の顔の精肉の職人藤村さんとの出会いがあり、店舗に隣接した敷地で近江牛を主体とする精肉店をやっていました。

また、お好み焼き鉄板の業態であります『キッチャン』にも近江牛をラインナップして、クオリティの高い精肉、内臓を提供していました。

 お好み焼き屋は食事需要であるため、近江牛のラインナップをしても客単価は低く推移します。また、利用動機としては弱い面があります。

事業仕分けで農場経営ができなくなり、先行投資の整理の必要が出て、負債となってしまいました。精肉店が人気であることや、焼肉店の来店動機や利用シーンが広いこと、客単価が高くなりやすいことを理由に、私は「肉屋の焼肉屋」にリニューアルすることをおすすめましました。

 そんな時、震災後くらいから『食べログ』に興味を持った私は、京都の焼肉屋のランキングを研究することになりました。

当時の焼肉店で「京都ナンバーワン」だったのは『多来多来』だったのです。

「なんや、『多来多来』は?」ということになりましたが、関西の焼肉店は皆名前だけは知っておりました。

そして、その『多来多来』を一年間研究して、『キッチャン』の強みを落とし込んだ「肉屋の焼肉屋」の業態開発に取り組みました。

 最初は、「近江牛を伝承する店」としました。しかし、近江牛は先入観で「高い」イメージがあり、利用動機を狭めるなどのマイナス点があるのではないか、ということになりました。

一夫、当時の畜産業界では27ヶ月の肥育が多くなっている中で、30~32ヶ月肥育した良い肉を使っていました。せっかく、近江牛でも融点が低く、胃にもたれない良い肉を使っているなら、まず、価格も抑えて、気軽に「おいしい肉をお腹いっぱい食べていただき」、あえて「近江牛であることを伝えない」ことに方針転換しました。

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食べていただいて、おいしいとなって、「これどこの肉?」とお客さんに聞かれて初めて「近江です」と言うようにしました。

多くの店は価値を仕えたくて、売り手と買い手の「既知」や「経験」を揃えることをしません。

『肉の醍醐』ではあえて近江牛であることを隠して、「体験」して気づいて、興味をもった人に「既知」をつけることにしたのです。

 

「銘柄」を先に伝えると先入観になります。そのため、「おいしかった」気にしてくれます。

頭でおいしいと勘違いするのです。

一方、敢えて伝えないのですが、「何かが違うことを実感」できてから、興味持ってから、「近江牛」だと伝えると、心でおいしさを感じることができるのです。

 極めつけはランチでしょう。近江牛ランチと切り落としランチをラインナップしました。ランチにタレで良いカルビをご飯にのせて一緒に食べるとたまりません。日常マーケットでおいしさの拡大もできたのです。

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肉の醍醐

京都府京都市伏見区醍醐池田町1

電話 075-572-3399

 

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