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戦略・戦術

第262号 「宣伝講習販売」と「通販」

社長のための“儲かる通販”戦略視点

 通販コンサルタントとして起業してから23年経つが、顧問先企業は、異業種からの新規参入組が多く、この傾向は現在も変わっていない。やはり新規販路開拓の位置付けで通販事業を立ち上げるメーカーが主流となるが、次に目立ってきているのが訪問販売会社である。とくに「宣伝講習販売」を得意とする企業の成功事例は、事欠かない。

 ちなみに「宣伝講習販売」とは、文字通り講習を伴う販売のことであり、固定店舗または1ヵ月以上営業する移動店舗において、講習方式で商品の機能や特徴を説明して販売を行う営業手法のことである。商品はサプリメントや化粧品、健康・美容機器、健康寝具、宝飾品などで、この販売手法を事業の柱に据えている主要21社の合計売上高は、約519億円 (2017年度)である。

 私も顧問先企業の宣伝講習販売の現場を数多く体験しているが、成功要因は、何といっても直接消費者に語りかけるそのノウハウと技術にある。たとえば集客の段階から対面性を重視し、チラシ1枚配布するにしても、台所から入り、 “手渡し”を基本にしている。そして、現場での絶妙なトークを含め、購入意欲を刺激する雰囲気づくりも巧みである。

 基本的には高額商品が多いため、クロージングまで1ヵ月以上かけることを前提にした営業時間とタイムスケジュールを組み、各社とも独自のシステムを構築している。決して結論を急がず、「次回(明日)は必ずお友達を連れて来てください」という一言を忘れない。

 この宣伝講習販売が通販との親和性が高い理由は、対面における信頼関係の醸成により、リピーター化しやすいことであり、DMにおいても、平均値の倍以上のレスポンス率を継続的に出し続けている。 新規顧客開拓とリピーター化を同時に行えるこの手法の成功は、総じて優秀な人材の確保にかかっている。

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