私の主催する「繁栄会」で御世話になっています『浅草じゅうろく』の大将に、『浅草じゅうろく』を除いて、関東で一番うまいそばを提供している店を教えて欲しい、という問いを投げかけたことがある。
即答で『Z庵』と帰ってきた。
もちろん、うまいというのは好みであって、絶対的ではないのではあるが、私のもっとも好きなそばを提供している店ゆえ、目指す方向性は同じで、機会があれば食べて仕事の引き出しにしたいと思っていた。
時間繰りができたので、念願叶って『手碾き蕎麦 Z庵』で勉強することになった。
私は車の愛好者でないから「Z」については、変な名前だなとしか思っていなかったが、Instagramに書き込むと、多くの人が解説をしてくれた。
さて、『手碾き蕎麦 Z庵』に行く前にしておくことがある。
食べる蕎麦の食数をネットで注文しておくことである。
そして、予約完了メールがきたら、契約成立となる。
「そば」を予約するシステムは、昔、タリアッテレで人気だった東銀座の『山岸食堂』を思い出す。
今回は、「手碾きそば」「十割」「全粒」の三種類を注文した。
店は他界した私の親父の実家から近い結城にあった。
なので、懐かしい風景である。
なんとものご縁である。
店は、のどかな農村の住宅エリアに入った場所という感じだ。
店は一軒家を改装したようだ。
駐車場には農機具がある。
聞けば、最初は農家さんからそばを買って天日干しをしていたが、そばまで追い求め、自分で「常陸秋そば」を育て、収穫して、乾燥させるようになったとのことだ。
名前を告げると、店主はそばの仕上げに入った。
釜は「富士工業所」ぽい。ゆで時間は意外と長い。
まずは、「十割」から。
まずはそのまま・・・
口の中に香りがとてもよい。
これはうまい。
続いて、つゆをつけて、・・・
のど越しよく、つゆの香りのあと一気に香りが広がる。
これはこの場所まで来る価値がある。
二つ目のそばはさらにゆで時間が長い。
30秒はあったのではないか。
「全粒」である。
香りは十割よりもダイレクトにくるが、特筆すべきは食感。
弾力が凄い。
最後に「手碾き」。
こちらは、「十割」と「全粒」の特徴がある印象だ。
弾力と香りがあるのにのど越しもよい。
うまい。
全体的な満足度がある店はあったが、そば単体でこれだけうまい店があったとは。
さすがは『浅草じゅうろく』の大将がおすすめするそば店である。
手碾き蕎麦 Z庵
〒307-0001 茨城県結城市結城8680−16
電話 0296-33-1725