経済不況の元凶は不動産と3つの「外」
中国経済不況の要因は何か?経済成長の重要ファクターである輸出、投資、消費、生産を調べれば、不況の元凶は浮上する。それは不動産不況及び外需(輸出)、外資、外国人という3つの「外」の減少だ。
まず不動産不況について説明する。昨年、バブルの崩壊に伴い、中国不動産大手恒大グループの破産、最大手碧桂園のデフォルド(債務不履行)など、企業破綻が相次ぎ、不動産産業は深刻な不況に陥っている。
その結果、2023年中国の固定資産投資全体(設備投資、インフラ、不動産投資を含む)が前年比で3%増えたが、不動産投資は9.6%減少した。消費サイドから見れば、消費全体は7.2%増だが、住宅販売面積が8.5%減、販売金額が6.5%減となっている(図1を参照)。
不動産及びその関連産業は中国GDP全体の28%を占める。不動産投資及び販売金額の大幅な落ち込みは、中国経済成長の足を引っ張っている。言うまでもなく、不動産不況は中国景気低迷のA級戦犯と言っても過言ではない。
次に外需(輸出)、外資、外国人という3つの「外」を見よう。図1に示すように、23年中国の輸出はドル建てで前年に比べ4.6%減少した。そのうち、対アメリカ▼13.1%、EU▼10.2%、日本▼8.4%、ASEAN▼5%、主要国・地域向け輸出は揃ってマイナスに転落した。これまで輸出は中国経済成長の牽引車だったが、昨年は成長の足を引っ張るファクターとなった。
外国からの直接投資も減少している。中国商務省の発表によると、23年外国の対中直接投資が実行ベースで1万1339億元、前年比で8%減った。ドル建ての数字は発表されていないが、昨年5%前後のドル高元安を考えれば、外国直接投資は2桁減少に違いない。