menu

経営者のための最新情報

実務家・専門家
”声””文字”のコラムを毎週更新!

文字の大きさ

経済・株式・資産

第178話 モノ、カネ、ヒトの「中国離れ」をどう食い止めるか?

中国経済の最新動向

経済不況の元凶は不動産と3つの「外」

中国経済不況の要因は何か?経済成長の重要ファクターである輸出、投資、消費、生産を調べれば、不況の元凶は浮上する。それは不動産不況及び外需(輸出)、外資、外国人という3つの「外」の減少だ。

 

まず不動産不況について説明する。昨年、バブルの崩壊に伴い、中国不動産大手恒大グループの破産、最大手碧桂園のデフォルド(債務不履行)など、企業破綻が相次ぎ、不動産産業は深刻な不況に陥っている。

その結果、2023年中国の固定資産投資全体(設備投資、インフラ、不動産投資を含む)が前年比で3%増えたが、不動産投資は9.6%減少した。消費サイドから見れば、消費全体は7.2%増だが、住宅販売面積が8.5%減、販売金額が6.5%減となっている(図1を参照)。

 

不動産及びその関連産業は中国GDP全体の28%を占める。不動産投資及び販売金額の大幅な落ち込みは、中国経済成長の足を引っ張っている。言うまでもなく、不動産不況は中国景気低迷のA級戦犯と言っても過言ではない。

 

次に外需(輸出)、外資、外国人という3つの「外」を見よう。図1に示すように、23年中国の輸出はドル建てで前年に比べ4.6%減少した。そのうち、対アメリカ▼13.1%、EU▼10.2%、日本▼8.4%、ASEAN▼5%、主要国・地域向け輸出は揃ってマイナスに転落した。これまで輸出は中国経済成長の牽引車だったが、昨年は成長の足を引っ張るファクターとなった。

 

外国からの直接投資も減少している。中国商務省の発表によると、23年外国の対中直接投資が実行ベースで1万1339億元、前年比で8%減った。ドル建ての数字は発表されていないが、昨年5%前後のドル高元安を考えれば、外国直接投資は2桁減少に違いない。

次のページ

1

2

3 4

第177回 中国「団塊の世代」の退場とデフレの到来前のページ

第179回 米国に制裁されても反米しない華為次のページ

関連セミナー・商品

  1. 沈 才彬(しん さいひん)「爆発する中国経済」CD

    音声・映像

    沈 才彬(しん さいひん)「爆発する中国経済」CD

関連記事

  1. 第73話 「リーマンショック」を超えるほどの中国経済の厳しさ(上)

  2. 第139話 歴史の経験 危機は中国台頭加速の好機 ~コロナ危機後の中国経済を読む~

  3. 第158話 なぜ日本企業は政府の行政指導に背を向けるか

最新の経営コラム

  1. 第184回 長野土鍋ラーメンたけさん小布施店 @小布施 ~世界に躍進する「ビーガン味噌ラーメン」

  2. 朝礼・会議での「社長の3分間スピーチ」ネタ帳(2024年5月8日号)

  3. 第328回【社長のリーダーシップ編⑤】リーダーに必要な4つの要素④「変化への対応能力」

ランキング

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10

新着情報メール

日本経営合理化協会では経営コラムや教材の最新情報をいち早くお届けするメールマガジンを発信しております。ご希望の方は下記よりご登録下さい。

emailメールマガジン登録する

新着情報

  1. マネジメント

    第140回 リーダーは「安全圏」の外へ出ろ
  2. マネジメント

    挑戦の決断(31) 貿易立国(都市国家ヴェネツィア)
  3. 戦略・戦術

    第110話 私は声高に売上!売上!とは申しません
  4. 人間学・古典

    第57回 先人の教え③ 十三世片岡仁左衛門
  5. 経済・株式・資産

    第90話 個人財産の守り方(2)
keyboard_arrow_up