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人事・労務

第96話 忘れてはいけない組織づくりの四原則

「賃金の誤解」

賃金管理研究所 所長 弥富拓海

http://www.chingin.jp


 会社とは「仕事と人が結びつき、企業目的を達成する場」であり、無駄のない仕事の流れを完成させねばなりません。
 製造業であれば(1)購買の仕事、(2)商品開発の仕事、(3)商品を過不足なく生産する製造の仕事、(4)商品をお客様に届ける営業の仕事、そして(5)不可欠なお金や人材を確保し、マネージメントする管理部門の仕事があると第95話で説明しました。
 つまり社内には仕事の流れを構成する機能別・職種別の部(グループ)があり、それぞれの部には管理職の仕事、上級職の仕事、中級職の仕事そして一般職の仕事があり、役割区分としての責任等級があることが分かります。そして会社が強い企業として安定成長を続けていくために知っておかなければならない「組織づくりの四原則」があります。

(1)命令系統一本化の原則
 この原則は,「ワンマン・ワンボス」とも言いますが「一人の部下に,仕事を具体的に指示できる人は,直属の上司ただ一人」という意味です。これは組織活動を円滑かつ速やかに行っていくためのルールです。親しいからと、他課の課長や役付者から仕事を直接依頼され、上司の許可を得ずに遂行することは課の仕事に支障が出かねない勝手な行為であり、許されないということです。

(2)同種性と等質性の原則
 一つの事業所にほぼ同じ仕事を担当する1課と2課があり、無駄と思えるのであれば、一つの課に統合すべきです。また職制準拠の責任等級に加えてポスト不足を根拠に処遇職位等が設けられ、役付社員が多いのであれば、それは高コストであるばかりか、指揮命令系統が混乱してしまいます。無駄な重複のない職種区分と等級(質)区分が生産性向上の切り札なのです。

(3)監督範囲の原則
 ただし、職種によって異なりますが1人の管理者が管理監督しうる部下の人数には限界があり、これを超えると監督者としての判断が遅れ、効率が低下します。複雑高度な職場であれば部下の数は4~6名が適当ですが、繰り返し的な作業であれば10人~20人でも掌握可能となります。つまり管理限界・適正スパンを考えて束ねる管理監督者を置き、ちょうど良い数の部下を配属することが大切だと言うことです。

(4)組織階層数と権限委任の原則
 社長から始まる組織階層数は職務権限を伴い、部長職の仕事、課長職の仕事、上級職(係長)の仕事、中級職の仕事そして一般職の仕事となっています。上位の等級者から順に職位に相応しい職務権限が与えられ、執行責任を負うこととなります。
 ラインの係長が稟議書を作成してから決裁が下りるまでに承認印は何個必要でしょうか。ハンコの数が多くなるほど、時間を要し非能率となります。可能な限り速やかな決裁が求められる職場でのハンコの数は職制上の直属上司(課長)と間接上司(部長)、そして社長印(担当役員印)のみとします。これが権限の委任に基づく三段階決済の考え方であり、速やかな意思決定を可能にするためには関わりのない他課の管理職や役付者のハンコは不要だということです。

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