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- 第69回 CES2021
今年の世界最大のコンシューマーエレクトロニクス展示会「CES (シー・イー・エス)」は、世界的な新型コロナウイルス感染拡大に伴い、初の完全オンライン開催となった。
コロナウィルス感染拡大という状況もあり、Ubtech社の無人消毒ロボット、Razer社のスマートマスク、LGのパーティションをディスプレイとして利用する製品なども話題となった。
LGとTCLの巻き取り式ディスプレイのスマートフォンや、GMの空飛ぶタクシー「Cadillac eVTOL」など、次世代を感じさせる製品も出たし、5,000種類以上の好みの色が調合可能なカスタマイズできる口紅「イヴ・サンローラン ルージュ シュール ムジュール パワード バイ ペルソ」は、299ドルで今年9月ごろから発売される予定だという。
また、Best of Innovation Award賞を受賞した、かわいい鳴き声とともに動く癒やし系AIペットロボット「MOFLIN(もふりん)」は、カシオ計算機株式会社の技術やノウハウを用いて開発された、日本の産官学の連携プロジェクトから生まれたものだ。
■オンライン開催
昨年のCES2020は、ラスベガスでのリアル開催で17万人が参加し、4,400社が出店する大規模イベントだったが、1年以上前からでもホテルや航空券が取れなかったり、広大な会場内の移動やカンファレンスに入るための行列など、見に行くには大変な労力を必要とするものだった。
それに対してオンラインのみの開催となった今年は、上記のような問題は解消されているし、各社のページや発表ビデオなどは2月15日まで見られるので、見逃したものも探せるなどメリットがあったが、実際に製品が見られないことや、ライブ感が薄れたり、偶然に通りかかったブースでの発見や人だかりから注目度を測ることもできないなどのマイナス面も指摘された。
CESを主催する米民生技術協会(CTA)によると、今年の出展者数は37ヵ国から2,000社(スタートアップ700社)と昨年の4,400社から半減、昨年は基調講演を行ったデルタ航空なども不参加だが、新しくできた「Home Office Hardware」には187社が参加、カンファレンス内容でも「WORK FROM HOM」や「デジタルヘルス」「遠隔医療」が多くなるなど、コロナ後に向けた取り組みも増えており、リモート時代のCESを伺わせる面もみられた。
CESのような展示会やイベントに限らず、今後はあらゆるものにリモートは欠かせない要素となると考えられ、来年のCES2022は、ラスベガスとオンラインのハイブリッド開催になるのではないかと思っている。
======== DATA =========
●CES2021
●Ubtech:消毒ロボット: These giant robots can disinfect classrooms and offices with UVC light
●Razer:スマートマスク:Project Hazel | World's Smartest Mask
●[LG at CES2021] LG Future Talk
●TCL
●GM空飛ぶタクシー「Cadillac eVTOL Air Taxi」
●イヴ・サンローラン ルージュ シュール ムジュール パワード バイ ペルソ
●MOFLIN (もふりん) An AI Pet Robot with Emotional Capabilities
●Samsungプレスカンファレンス「Better Normal for All 」
●SONYプレスカンファレンス
●The Next Big Thing: Home as the New Headquarters
●Prescribing Digital Therapeutics as the Medicine of Today