こんにちは、朝晩の冷え込みが厳しくなりました。樹々も慌ただしく冬支度する頃、変わりなくお過ごしですか。
さて、今回は喪中見舞い状の書き方と送り方をテーマにお伝えします。
喪中見舞いとは、喪中はがき(喪中のお知らせ/喪中のため年賀状のやりとりを辞退する旨の年賀欠礼状)を受け取ったときに送る、お見舞いの品や手紙を言います。昨今テレビCMでも見聞きするようになりましたので、「あぁ、あれのことか」と思い当たる方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、「いざ自分が喪中見舞いを送る」となると、どう対応すればいいか、その情報はあまりに少ないのが現状です。
ビジネスシーンにおいて、取引先から喪中はがきが届いたら、どう対応すればよいのでしょうか。
喪中見舞いとは、どんなもの?
あらためてとなりますが、喪中見舞いとは、その言葉の通り、喪中の相手を気づかうお見舞いや、お悔みの気持ちを伝える手紙のことを言います。
この半月くらいの間に、皆さんのお手元にも数通の喪中はがき(喪中のお知らせ/年賀欠礼状)が届いたことと思います。
従来型のマナーにおいては、この喪中はがきが届いたら、年賀状ではなく、年が明けた1月半ばに「寒中見舞い状」を送り、その中でお悔みの気持ちを伝えるとともに今後も変わらぬ厚誼を請うのが、一般的とされていました。年賀状は新年の訪れを共に慶び、寿(ことほ)ぐために送るものですから、喪中の相手に年賀状を送るのは、本来、失礼に当たるとされているためです。
とはいえ、実際にはよほど筆まめな方を除き、新年の慌ただしさに紛れて寒中見舞い状の存在など忘れてしまうことのほうがはるかに多いものです。結果として、喪中はがきはただ受け取るだけ。その返事としてお悔みの気持ちを伝えたり、あらたまって新年のあいさつをしたりする機会がすっぽり失われていました。
そこで、喪中はがき(喪中のお知らせ/年賀欠礼)が届いたら、すぐに香典や線香などを送るか、はがきや封書でお悔みの言葉を書いて送りましょう。すると、ご遺族への癒しになるでしょうし、自分の心もスッキリします。さらにはご遺族に感謝され、そこからまた新たな交流がはじまこともあるでかもしれません……というのが、喪中見舞いの趣旨であります。
喪中見舞い状の書き方、基本ポイント
喪中見舞い状は、大型文具店等で購入するか、シンプルな絵柄のハガキを使うのが一般的です。赤い実の南天や、白いサザンカの花がデザインされたハガキなら、その絵柄からもお悔みの気持ちが伝わりそうです。
*南天は「難(ナン)を転(テン)じて福をなす」ことから一陽来復を意味します。サザンカは代表的な冬の花であり、「困難に打ち勝つ」という花言葉があります。
◆書き方の基本ポイント
一般に、お悔みの手紙では句読点「、」「。」を用いません。
大切な身内を亡くして心を痛めている相手に送る手紙ですから、デリケートな書き方が求められますが、ビジネス上の付き合いであれば文章はシンプルに徹してかまいません。
お線香など品物を同封する場合は「心ばかりではありますが 〇〇をお同封いたします どうか御霊前にお供えください」などと書き添えます。
*四十九日以降は「御霊前」が「御仏前」に変わります。
■文例1(シンプルな書き方)
このたびは謹んでお悔み申し上げるとともに
故人の御冥福を心よりお祈りいたします 合掌
<ポイント1>
文末で添えた「合掌」の文字から、お悔みの気持ちや故人への敬意が伝わります。
■文例2(ややシンプルな書き方)
このたびの訃報にふれ
生前のご厚誼に心より深謝するとともに 謹んでお悔み申し上げます
寒さ厳しき折 どうかご自愛ください 合掌
<ポイント2>
お悔みに加え、ご遺族の健康を気づかう書き方です。
■文例3(やや気持ちを込めた書き方)
平素より大変お世話になっております
このたびの訃報にふれ
生前の厚情に深謝するとともに 謹んでご冥福をお祈りいたします
〇〇様ご夫妻におかれましては
一日も早く 心に安寧が訪れますよう 心よりお祈り申し上げます
<ポイント3>
故人の死を悼むとともに、ご遺族の心の安寧を願い、健康を気づかう書き方です。