■空飛ぶクルマ
日本経営合理化協会の「社長のメシの種探検隊」で岡山周辺の視察をしてきたが、今回のハイライトは「瀬戸内国際芸術祭」で世界的に有名な、香川県直島での「空飛ぶクルマ」の試験飛行だ。
「空飛ぶクルマ」は海外では「eVTOL(Electric Vertical Takeoff and Landing=電動垂直離着陸機)」と呼ばれているが、ドローンを人間が乗れるように大型化、長距離化したものと考えると分かりやすい。
だが、「空飛ぶクルマ」という名称は海外の「eVTOL」より直感的で、SF小説やドラえもんなどのアニメやマンガに出てくる未来都市で飛んでいる乗り物が思い浮かぶ。
今回の直島でのフライトは、中国のEHang社製 EH216型という2人乗りの「空飛ぶクルマ」を遠隔操作で飛行させたものだが、強風の中を2回とも安定して飛行するのを体感し、認可や規制などが整えば空を移動する時代がすぐそこにあることを感じた。
また、この試験飛行にはNHKも取材に来ていたので、翌日には全国放送のニュースで何度も放映された。
■MASC
この「空飛ぶクルマ」を所有して試験飛行を行なったのは、岡山にあるこの地域の企業で、航空宇宙の産業クラスターを目指す取組みをしている一般社団法人MASC(Mizushima Aero Space Cluster)だ。
MASCには今回試験飛行を行なった「空飛ぶクルマ」の他にも、オートフライト社製「V2000CG」という5人乗りで最大250kmも飛べる翼のついた機体も飛ばしており、今回の視察で実際の機体も見てきたが、これに乗って移動できる時代になると「旅」の概念が大きく変わりそうだ。
中国では高度500m以下の空域を活用するビジネスを「低空経済」と呼んでいるが、コロナ禍に行なった「リモート世界一周セミナー」の時に、中国では既に病院間で医薬品をドローン定期輸送するシステムが動いていた。
「空飛ぶクルマ」に関しては中国でもまだ試験飛行の段階だが、飛行回数は飛び抜けて多く、実用化も近いと考えられる。
日本では一番多く試験飛行を行なっている「MASC」でも試験飛行は20数回なので、大阪関西万博をきっかけに、今年は実用化に向けて前進することを期待している。
======== DATA =========
●瀬戸内国際芸術祭
https://setouchi-artfest.jp
●EHang
https://www.ehang.com/ehangaav/
●MASC
https://masc-jp.com
●AutoFlight
https://www.autoflight.com/en/
空飛ぶクルマのテストフライトの様子はこちらから