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人事・労務

第8講 多様性とウェルビーイングが価値を生み出す時代、組織力は〇〇力に比例する

顧客・社員・社会から支持される「ウェルビーイング経営入門」

対話促進の手段とは

 では、どうやったら組織内での対話を促進できるのでしょうか。具体的な手段としては、経営陣と従業員のざっくばらんなタウンミーティング、社内で互いの価値観を語り合う場づくりなどが挙げられます。これらは、異なる部署や役職の人たちが自然と語り合い、それまで互いに知らなかった側面や、経験、価値観を引き出す場となります。
 また、ひとりひとりがコーチングスキルを駆使することも対話促進の強力なツールです。コーチングは、相手の内なる声を聴き取り、その価値を引き出し、ともに価値を作り出す手法そのものだからです。
 なお、1オン1ミーティングにより従業員のウェルビーイングやエンゲージメントを高める取り組みは、すでに多くの企業が始めているところです。この1オン1ミーティングが真価を発揮するためにも、コーチングのスキルやマインドをしっかりと習得していることが前提です。

 

賢い経営者は衝突を恐れない

 多様性を価値とするウェルビーイング経営では、多様性を衝突から価値に変えるプロセスを踏む必要があります。
 そのためには、対話を進める経営陣の姿勢や、ひとりひとりの対話力の促進、コーチング等のリスキリング推進が重要な位置を占めていくと考えられます。
 こうした積極的な取り組みにより、多様性を実現しながら、従業員も成長や幸福を追求できる環境が整うのです。
 つまりは、ウェルビーイング経営を推進しようという賢い経営者には、衝突を恐れず、むしろ歓迎する精神が不可欠です。著者がかかわる企業でも、成長を続ける企業の経営者は、高い対話力を発揮していると感じています。 その姿勢は組織全体に次第に広がり、強い組織文化を育てています。

 

すべての組織に対話力を

 「ウェルビーイング経営」や「多様性」は、持続可能な事業推進のために、もはやなくてはならない概念となりました。一方で、人はもともと全員が互いに異なっているのにもかかわらず、その違いを出すことに恐れを感じる生きものです。
 幸せな持続と成長を目指すなら、互いの違いを思い切って引き出しあい、多様性を発揮する組織になることが重要です。そして、対話力さえあれば、たとえ衝突が起きたとしても恐れるに足りません。
 対話力は組織力そのものです。変化や衝突を重要な価値に変える対話力を、経営者が率先して育てていくことこそが、人と組織を大きく花開かせることになるのです。

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