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愛読者通信

「経営者の人事の悩みを100%解消します」
松本順市氏[(株)ENTOENTO(エントエント)代表取締役]

「愛読者通信」著者インタビュー

 大学3年生より、当時3店舗あった街の鮮魚店「魚力」にアルバイトとして入社、山田勝弘社長の参謀役として社長室に勤務、いわゆる「5K職場(キツい・危険・汚い・給料安い・休日少ない)」と呼ばれる鮮魚小売店にて、業界初のサービス残業ゼロ、完全週休二日制の実現に成功。
 社員の成長を支援する人事制度をつくり、わずか16年で年商175億円(1部上場)となった画期的な人事制度の内容について、お話をうかがった。

松本順市(まつもと じゅんいち)氏
株式会社ENTOENTO 代表取締役

 ダントツ日本一の指導実績を誇る人事コンサルタント。
 大学3年生より、当時3店舗あった街の鮮魚店「魚力」にアルバイトとして入社。当時の山田勝弘社長の参謀役として社長室に勤務。いわゆる「5K職場」と呼ばれる鮮魚小売業界にて、サービス残業130時間から業界初のサービス残業ゼロ、完全週休2日制の実現に成功。社員の成長を支援する人事制度をつくり、30年連続増収増益、東証二部(現在は一部)達成の原動力となる。
 1993年人事コンサルタントとして独立。中堅・中小企業を元気にする人事制度の指導・支援を全国的に展開。日本で初めて「人事制度を構築できなければ、かかった費用を全額返金する」という品質保証をつけて話題に。現在までに、782社の人事制度をつくり、成功率99.6%を誇る。

 

─ 最初、松本式人事制度というのがあって、それをいろんな会社にあてはめていくのかと思ったら、全く違って驚きました。

 そもそも人事制度は専門家につくってもらうものではありません。専門家につくってもらった人事制度で成功する確率はほぼゼロです。
 経営者のみなさんがこれまで社員を率いて、会社を繁栄、存続させてきたのは、経営者自身の評価や賃金の決め方があったからです。つまり、自社の最適の制度は、経営者の頭の中にこそあるのです。
 ただ社員が定着しなかったり、社員が賃金や評価に不満をもつのは、経営者のみなさんが何を評価して、どのように賃金や処遇を決定しているのか、社員に正確に伝わっていなかったせいです。それが原因で、不安や不満、ギスギス感を生んでいるのです。
 経営者が何を一番評価しているのか、それを明確にするだけで、社員は驚くほどそれに応えて成長してくれます。そして業績は自然と向上していきます。

 

─ 松本先生は、日本初のコンサルティングの品質保証をつけられています。

 12年ほど前に、「私が支援してつくった人事制度を運用できなければ、かかった費用を全額お返しします」という、日本初のコンサルティングの品質保証をつけました(取材時2016年)。 当時、そんなバカなことをしたら、返金の山になると、同業のコンサルタントから陰で笑われました。
 しかし、おおかたの予想に反して、現時点で返金した会社は、782社中「3社」です。その3社の返金理由は、私が冒頭の説明で、「これから松本式人事制度をお教えするわけではありません。経営者のみなさんがこれまで会社をこうしたいという想いで実践されてきたことを可視化して、人事制度をつくるお手伝いをさせていただきます」と話すと、「なんだ、決まった制度がないんだ。だったらやってもしょうがないな」とおっしゃって、人事制度をつくる前にお帰りになったのです。
 そういう意味では、人事制度をつくった会社で返金を申し出られた会社は、今のところ一社もありません。
 人事制度というのは、本質的には社長の想いや価値観を形にするものだと考えています。社長の想いといってもさまざまです。会社の業種業態もさまざま、規模も状況もみんな違います。ですから、一つの決まりきった人事制度ではおさまりきらないのです。

 

─ 具体的に、松本先生が指導されている人事制度とはどういうものですか。

 私が働いていた40年前の魚力は、中途採用で人を採用しては、すぐに辞め、一年で3割の社員が辞めてしまうような会社でした。3割というのは、3年で社員がほぼ全員入れ替わるということです。
 休みも月に4回、一日16時間労働は当たり前で、まず「普通の勤務時間と休みが取れる会社にしたい」というところから、改革が始まったのです。
 まずは利益を落とさないで、つまり生産性を上げながら、勤務時間を短く、休みを多くし「社員の定着」をはかることから始めました。
 言うまでもなく、採用した社員がすぐに辞めてしまう定着率の悪い会社は、社員を成長させることも、会社を継続的に成長させることもできません。社員を育てようと思っても、すぐに辞めてしまうようでは育てようがないからです。
 魚力もこの人事の大きなカベで苦しみました。なんとかして社員が働きやすい環境をつくることで社員の定着をはかろうとしたわけです。
 その次に、どうしたら社員が成長するのか。社員の成長なくして会社の成長なし。社員の成長と業績の向上をどうやって結びつけるか、これはどの会社にとっても大きな課題です。

 

─ 社員の成長と業績の向上をどうやって結びつけていったのですか。

 ひと言でいえば、最も高い成果を上げている優秀な社員のやり方を明らかにして(可視化して)、そのやり方を他のすべての社員にわかりやすく教え、それを同じようにやらせきることです。それが社員を成長させる一番の近道です。
 そのために、「成果の上がる仕事のやり方を人に教えた人を高く評価する」など、社員みんなが協力しあって成長する成長支援制度をつくり、人事制度上の社員の不満をひとつひとつ解決していきました。
 しかし、魚力の制度をそのまま、いろんな会社にあてはめるのではありません。
 第一、優秀な社員は、会社によってまったく違います。ですから、私が指導できる範囲は、社員が成長し会社の業績が上がる人事制度の基本思想と、その基本思想の上に仕組みの柱を立てることです。
 詳しくは、『社員が成長し業績が向上する人事制度』をお読みいただければ幸いです。

 

(聞き手/岡田万里)

「愛読者通信」(2016年10月発行)掲載

 

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