創業(1999年)14年目で家事代行サービス業界のリーディングカンパニーに成長、今も売上高が前期二桁増を続けているのが株式会社ベアーズである。「お客さま感動120%への飽くなき追及」の社是を明確にし、挑戦をし続ける企業である。
同社が提供する家事代行サービスは幅広く、掃除、買い物、食事の支度、子どもの世話、洗濯、介護支援など各家庭にあわせて必要な家事を代行するというもの。また、家庭にとどまらず、ホテル・オフィス・店舗ビルの清掃サービスやマンションコンシェルジュサービスにも対応する。同社の家事代行サービスの利用状況は増加傾向にあり、2011年が13万件、2012年が17万件に達している。
ベアーズの創業のきっかけと理念は明確だった。「がんばる女性を応援したい」「家事代行業という新しい産業を創出したい」という考えのもと、夫であり同社の社長である高橋健志氏が立ち上げた会社を、ゆき氏(専務取締役)も妻でありNo.2として、共に育んできた。4年間の香港暮らしでメイドを雇った経験から、日本には利用者が満足できる家事代行サービスがないということに気づいた。
生活の価値観を変える、新しい家事代行サービスを創ろう、というのが起業のきっかけだった。「他人を家に入れる」ことになじんでいなかった日本で、すぐに利用者は増えなかった。当時、「家事代行」という言葉も一般的でなく、なかなか事業は軌道に乗らなかった。「それでも、各家庭のニーズに合うように、サービスを一つ一つ丁寧に、メンテナンスしてきました。地味な作業ですが、諦めず、信頼を得るまで続けた結果、利用者が徐々に増えてきた」と高橋ゆき氏(専務取締役)。
家事代行サービスを提供するのは「ベアーズレディ」と呼ばれる女性スタッフだ。現在、4300人のベアーズレディのうち、1000人が以上が週一回以上働いている。50歳から60歳までが中心で、45%を占めていて、今後60%まで高めていく意向である。
高橋専務は「明るく、元気で素直がいい」「人生まるごと愛してる」が口ぐせだ。社員全員が毎朝朝礼で、「お客様に笑顔で接し、好きになり、感動していただきましょう」を復唱している。家事代行サービスは今後ますます多様化、多品種化する可能性が高いといえる。注目度の高い市場だけにリーディング企業のベアーズから目が離せない。
上妻英夫