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社員教育・営業

第171回 コミュニケーション上手になる仕事の進め方93「来客応対と訪問マナーについての総チェック  席次」

デキル社員に育てる! 社員教育の決め手

前回、来客応対と訪問マナーの総チエック「3.ご案内の仕方」についてお話しました。今回は「4.席次」についてお話します。

4.席次
 席次の理解は、ビジネスマナーで欠かせない項目です。日本では伝統的に「左上位(さじょうい)」です。これは、向かって正面から見たときに「右側が上位」になることです。前回のご案内がせっかくきちんとお出来になっても、向かって正面から見たときに「右側が上位」ということをわかっていないと、お客様応対が無意識に失礼になってしまうこともありえます。加えて席には「上座・下座」もあります。これはお客様に座っていただく場所で、ウェルカムのおもてなしを表すことができるので考え方によっては、理解さえしてしまえばいつどこでもスマートな振る舞いが可能ということです。ちなみに上座とはセッティングされた中で最も安全で座って心地良い席です。

 では、応接室・会議室・乗り物(飛行機、新幹線、車、エレベーターなど)・その他で具体的にお話します。

① 応接室。まず覚えていただくのは、出入り口が判断の基準です。出入口から一番遠いところが上座、出入り口に一番近いところが下座です。さらに椅子にも格があるということを覚えて下さい。応接室に置かれる椅子は2種類だけです。お客様用は長椅子(3人掛け用)で、会社側の方がお座りになるのは背もたれ・ひじ掛け付き一人用の椅子が基本です。つまり長椅子が出入口から遠いところ、一人用の椅子は出入口近くにセッティングされています。ところが私は長椅子が出入口から近い場所にセッティングされている応接室に通されたことを何回か経験しています。

 マナーは相手への心配りですから、長椅子に座った時その位置から窓外の素晴らしい景色が見えたり、壁に有名な画家の原画が飾ってあるなどの理由があれば、是非そちらを優先なさってください。

② 会議室。議長がいる場合といない場合で異なります。
【議長がいる場合】
・テーブルをカタカナの「コの字」に準備する。出入り口を「コの字」の実線がない辺にくるようにセッティングしたとイメージしてください。出入口から一番遠いテーブルの真ん中が議長席で、議長と同じ方向を向いて右隣が上座です。参加者の中でポジションが一番高い方に座っていただきます(「1」)。議長の左隣がその次のポジションの方(「2」)、「1」の方が座っているテーブルと90度角度が曲がった隣のテーブルに「3」の方に、「2」の方が座っているテーブルと90度曲がった隣のテーブルに「4」の方に座っていただく。次からはポジションの順に、「3」の隣が「5」、「4」の隣が「6」というように座っていただく。

【議長がいない場合】
・長テーブルを中央にして部屋におさまりの良いようにセッティングする。出入口から上座下座がわかるので、座り方は奥から「1」、「2」、「3」でも、「2」、「1」、「3」でもどちらでもよい。

③ 乗り物。
【飛行機】比較的簡単です。飛行機一機で考えると前方が上座で後方が下座です。機内横一列の「三席、通路、四席、通路、三席」と分かれている座席で説明します。先ず窓側を含む三席ですと、窓側が上座、次席が通路側、そして真ん中が下座です。反対側の三席も同じです。では通路に挟まれた四席はどのように考えたらよいのでしょうか。進行方向左側の通路に一番近い席が上座です。理由は飛行機の出入口が左側からが多いため、座ったり立ったりしやすいと考えらてれるからです。
従って進行方向右側の通路側に一番近い席が次席です。残りの内側二席については、上座の右隣が三番目、次席の左隣がこのブロックでは下座です。

【新幹線】
・一般車両は2席と3席に分かれています。2席のところは窓側が上座・通路側が下座です。3席のところは飛行機と同じで窓側が上座・次席が通路側・真ん中が下座です。通路を挟んで横一列に5名が並ぶ配置の場合は、進行方向左の窓側が上座・進行方向右の窓側が次席・上座の隣の通路側が三番目の席・通路のすぐ右側が四番目の席、下座は次席と4番目の席の間です。

※ボックス席の場合
・4名の場合。進行方向に向く席が上席の基本。お客様や相手の会社の方々との移動の場合、上席は進行方向の2席で、窓側が上座、通路側が下座。自分たちが座るのは進行方向に背を向いている席。その窓側が上座で通路側が下座。

会社内の4名でボックス席に座る場合は、進行方向の窓側が上座で次席が進行方向を背にする窓側。進行方向を向く席の通路側が三番目の席で、進行方向を背にする通路側が下座です。
・ボックス席6名の場合も4名と考え方は同じです。

④ 【車】
タクシーと運転がオーナーの場合で席順がかわります。
・タクシーの場合
 ドライバーの後ろが上座です。万一事故などの場合、安全性が高いと言われているからです。次席は反対側の窓側で、その次は座り心地のあまりよくない上座と次席の間です。下座は助手席です。

・運転がオーナーの場合
覚えるポイントは助手席が上座です。ここを上座にすることで、運転者をドライバー扱いにしていないことを示せます。従って後部座席の後ろが次席となり、次席だった窓側は三番目の席に、そして2人の間が下座です。

⑤ 【エレベーター】
エレベーターの順番は私が研修を始めた頃は、操作盤の後ろが上座とされていましたが、今は操作盤の対極を上座とする考え方もあります。ここが絶対上座ということまで触れていませんから、奥が上席になると覚えておくので良いと考えます。エレベーターの中に誰も乗っていない場合は、お客様を先にお乗せするのではなく、「前を失礼いたします」と声をかけて案内者が先に乗ります。降りるときも、もし案内者が先に降りてしまうと、お客様がエレベーターの中にお一人になってしまうので、

「お先にお降りになってください」と声かけをして先に降りていただきます。要はお客様だけをエレベーターの中で一人にしないことがポイントです。
※エスカレーターの時は、階段をご案内するのと同じで上りはお客様が先、下りは案内者が先とお考えください。

⑥その他
※洋室は応接室と同様です。
※和室は床の間を背にした席が上座で、次席の方は上座の隣。
※円卓の場合は、出入り口から一番遠い席が上座で、上座の方から見て左隣・右隣・左隣・右隣と順番に座る。

席次は一度に全部頭に入れるのは難しいですが、一度覚えたら一生役に立ちます。自分で期間を決めて少しずつ知識を増やしておくと、急に課長と同行の出張になった時など慌てずにスマートに振舞えます。

 

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