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- 第20話 昔からある業種では、視点を変えなければ利益も増えない
12月3日、ハイアットリージェンシー東京で講演を行った。
木材建材卸の会社の取引先パートナークラブ企業の経営者を前にして1時間半の講演で、講演後も宴会にまで参加させていただきさまざまな経営者の方とお話ができて楽しかった。
木材建材業界はかなり淘汰されていて、今、生き残っている会社はおしなべて 力のある会社なのだが、それでも経営は安泰とはいえない。
昔からある業種では、やっていることも同じ、取り扱う商品もほぼ同じで、最終的に価格競争になり利益率が激減する。これを打開するために、強みのある商品を開発したり、オンリーワンのサービスや商品に力を入れたりする。それができにくいところは在庫管理などの徹底で利益を生み出そうとする。それでも税引き後利益は1-2%という会社が多い。
タイヤ販売店などは価格競争に苦しみ利益ぎりぎりのところで推移し、メーカーからの報奨金でかろうじて黒字ということも多い。
昔からある業種はいまや競合との生き残りの体力勝負の時代に突入している。
下の図が代表的な昔からある業種で、建材卸や木材業、メーカーなど工場・倉庫などを必要とする業種の財務バランスになる。
これをみてわかるように昔からある業種・業態は総資本回転率(総資本(資本+負債)に対して、どれだけの売上をあげられたのか)が低い。少ない元手で売上げも利益もそれほど稼げないのだから、大変な努力が経営者に求められることになる。
この財務バランスから、売上げ重視では借入れは減らないというのが分かると思うけれど、「では、どうしたら?」という答えがなかなかみつけられない。
でも、自社の仕事を視点を変えて見つめなおしてみると意外な利益が隠れていることがある。それをみつけて生かせるかで、これから生き残れるかどうかが決まると思う。