潰瘍性大腸炎…あまり聞き慣れないかもしれませんが、最近、特に多くなっている病気なのです。
患者数は毎年5,000人以上増え続けており、平成20年度の「特定疾患医療受給者証交付件数」の統計によれば、現在104,721人もの患者さんがいます。
潰瘍性大腸炎は、文字通り、大腸粘膜に潰瘍やびらんができる病気です。原因不明とされていて、国の難病指定になっています。
主な症状は、下痢や、血の混ざった軟便、腹痛、しぶり腹(=便が出そうで出ない)、また大腸粘膜から粘液が多く分泌されるため、便のかわりに粘液がたくさん出たりします。このため、ときには1日に20回以上もトイレに行かなくてはならない状況になり、体力の消耗が激しい疾患です。
炎症や潰瘍のおよぶ範囲によって、下記のように種類分けされています。左から【直腸型:直腸とS状結腸の一部が侵されているもの。症状は血便だけで軽症のことが多い、【左側結腸型:直腸、S状結腸、下行結腸、横行結腸の左半分が侵されているもの。症状は血便、下痢、下腹部痛など軽症から中等症のことが多い】、【全結腸型:直腸から横行結腸の右側まで、または上行結腸まで置かされているもの。軽症から重症まで。重症では、激しい血性の下痢、腹痛、発熱、頻脈、脱水を起こすことが多い】の3つです。
◆ポイント1:「過去の失敗を取り返したい」
潰瘍性大腸炎は、直腸やS状結腸から始まるのがふつうで、最終的に大腸全体に広がりますが、この「直腸、S状結腸から始まる」というのは重要なポイントです。大腸は、おなかの右側下から、時計回りに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、肛門となります。
便の運ばれる方向とは逆の、反時計回りに患部が広がっていくのは、言ってみれば「時間を取り戻したい」という潜在意識の現れ。
私のところへ来られるクライアントさんにも、過去の失敗、後悔が大きなストレスとして残っているケースがよく見られます。
◆ポイント2:「呼吸が浅い」
この病気の不思議な特徴は、喫煙をする人がしない人と比べて発病しにくいとされている点です。たいていの病気には喫煙の害が指摘されているのに、こと潰瘍性大腸炎については、喫煙者の方がこの病気にかかる確率が少ないという事実があります。
でもこれは、タバコに含まれる何らかの成分がこの病気に有効、というようなことではなく、「呼吸の深さ」に関係しているのだと思われます。喫煙は「ぷはー」と深く吐き出す行為だけを見れば、深呼吸をしているとも言えるからです。
東洋医学では、下記表のような「五行配当」の考えがありますが、木火土金水(もっかどごんすい)の「金」の項目を下にずーっと下がってもらうと、【肺 ― 大腸 ― 鼻 ― 皮・毛 ― 悲】 という関連が示されています。
肺と大腸は、陰と陽をなす対の臓腑と見なされているのです。 人間、緊張したり、焦ったりしていると呼吸は浅くなるものですが、潰瘍性大腸炎の方を見ていると、ほんとうに呼吸が浅くなっている方が多いです。
「腹式呼吸」などと言うように、肺と大腸の関係は、深い呼吸によっておなかの筋肉を使い、腸に対して十分な血液循環をうながす作用を示しているのです。
◆潰瘍性大腸炎のエネルギーを才能に変換!
呼吸とは、大気に対して、
・はく息が、自己表現(カラダの隅々の情報を大気に還元)
・吸う息が、情報収集(大気に含まれる様々な情報をカラダに伝える)
と、私は考えています。
潰瘍性大腸炎の方のカウンセリングをしていると、過去の失敗や他人からの厳しい評価が尾を引いているケースが多いのですが、そのため、何をするにも必要以上に準備と情報収集をして、できる限り批判にさらされないようにしようと努力する人が多いです。
その意味では、大量の情報を適切に処理し、ミスなく何事もこなす、という点で非常に有能な方が多いです。
ただ、その情報が「形」にならない。 つまり、いつも誰かからの評価のための情報収集、情報処理であるため、その情報が自分の身になっていないのです。
これはまさしく
・形になっていない(下痢、軟便、粘液便)
・身になっていない(大腸を通る栄養素が、まさに素通りしてしまう)
という潰瘍性大腸炎そのものの症状となって現れています。
最近の研究では、潰瘍性大腸炎の原因は何らかの「自己免疫」によるものではないか、と言われています。免疫とは端的にいえば、自己と非自己を見分けるはたらきです。
つまり、自分のために必要でない情報(空気、食べ物)に対して、「これは自分のものじゃない!」とばかりに腸粘膜表面で免疫作用を起こす結果が潰瘍性大腸炎であると見なせないこともありません。
自分を知る。自分がほんとうに必要としているものに気づく。 まずは、他人評価を手放していきましょう。その上でふかーい呼吸を身につけたとき、あなたの情報処理能力は、類いまれない才能として開花するはずです。