永らく連載させて頂きましたおのころ心平の『か・ら・だマネジメント』も、今回で最後となりました。最終回の今回は、「目の動かし方」による脳のデータベースについて、考えたいと思います。
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では、顔は真正面に向いたまま、目だけを左右に動かしてみて下さい。
★右の方が動かしやすいですか?
★それとも、左の方が動かしやすいですか?
(イラストは便宜上、鏡をみているようにしています)
あるいは、目を左右交互に外側に最大限に寄せてみましょう。頭は動かさないで、目だけですよ。
★右の視野の方が広く感じますか?
★左の視野の方が広く感じるでしょうか?
目の左右への動きやすさは、不意に視線をそらす際にもあらわれます。右に動きやすい人は視線をずらす時もよく右にずらし、左に動きやすい人は左にずらします。これは、その人の脳のデータベースをどのように使うかを読み解くヒントになるのです。
★右の方に目が動きやすい人(right-side-eye:Re):データベース「いま現在」
★左の方に目が動きやすい人(left-side-eye:Le):データベース「過去と未来」
右の方に目が動きやすい(right-side-eye:Re)人のデータベースは「いま現在」です。いま目に見えるもの、いまの目に前にいる人、その人のいま話していること、つまり、目の前に起こっていることをありのままにとらえようとします。出来事に対して固定概念にとらわれず判断しようとします。
一方、左の方に目が動きやすい(left-side-eye:Le)人のデータベースは今現在ではなく「過去と未来」です。現在は、過去の延長線上にあると考えるので、目の前に生じた出来事を、自分の知っている知識や過去の体験、未来の予測に照らして判断しようとします。
★Reの特徴
Reの人は、好奇心旺盛で、出来事には自分の理解の範疇を超えたこともあると考え、未知のものについて寛容です。「原理原則」よりも「例外」の方が好きです。多くの可能性を考慮しながらものごとを見ようとします。
Reの会話は、話題が急にとぶようなことがよくあります。どちらかと言うと、状況の成り行きや会話の先行きを読むことが苦手です。
そして、自分が興味のあることについては衝動的に動くことがあります。「これだ!」と思ったことにはしばらく没頭しますが、熱しやすく冷めやすく、飽きっぽいところもあります。
Reは、音楽や芸術的感度が鋭く、独自の感性を磨く才があります。音感がいい方なので、語学習得は読解よりも聴く方から入る方がよいでしょう。読む本は、実用書が多く、漫画や映画も好きです。
★Leの特徴
Leの人は、「自分は物わかりがよい方だ」と思っています。新しい情報に接しても「それなら知ってるよ」と言うタイプです。
どちらかというと一般的な法則、原理原則から個々の出来事を結論づけようとします。思考の応用力はあるものの、自分の理解の範囲でものごとをとらえようとし、過去の体験や自らの予測に沿って意味づけしようとします。
会話においては相手の話をよく聞く方です。ただ聞きながら次に自分が何を言うかを考えています。発言は起承転結で順を追って話そうとし、結論は最後に持ってきます。話が長いのでしゃべってる途中によく割って入られたりします。オチを言わせてもらえず、よくイライラします。
Leは、先を読むことに長けています。グループ行動や宴会などでは仕切り屋に回るのはLeタイプです。なんでも先回り先回りで考えるので、時に気苦労や不安感にさいなまれることがあります。
Leは、勉強好きで、物知りです。本を読むのが好きで、歴史物や哲学書、科学書などもカバーしています。語学習得では文章読解力は優れていますが、発音や会話は苦手です。
【目の動かし方のカラダへの影響】
目の動かし方に明らかに左右差がある場合は、カラダへの影響も生じやすくなります。視野の左右差は「カラダの中心軸のぶれ」をつくるからです。
右範囲の視野の方が広い人(Re)は末梢神経型、左範囲に広く視野がある人(Le)は中枢神経型です。Reは、カラダの疲れが筋肉疲労として出やすく、Leは脳疲労として出やすくなります。
Reは、ストレス反応が早くカラダに出るため、自律神経系を通じて血圧や血糖のアップダウンが起こります。また心臓の筋肉にも影響が出て、動悸、息切れ、めまい、よく寝付けないなどという症状が起こりやすいです。
一方のLeは、ストレスを蓄積する方なので、背中や腎臓に疲れがたまりやすく、周期的に熱を出したり、寝込んでしまったりします。
Reは、ケガをしたり、つまづいたり、よくぶつけたりするのも右半身です。右側視野が広いのだから、一見、右半身が安定するようにも思えますが、視野が広い分、右半身の可動性が大きくなり、意識の届く範囲が手薄になりやすいのです。右半身のテーマは、未来、外側、男性性、社会性。
先行きに不安を感じたりしている時や職場やご近所付き合いでの人間関係ストレスで頭がいっぱいになっている時は、右半身が不用意になりがちです。また、Reの人は、体質的には、父親の体質が出やすくなります。
同じくLeは、ケガをしたり、つまづいたり、よくぶつけたりするのも左半身です。左半身のテーマは、過去、内側、女性性、家族性。
過去のできごとや後悔の念にとらわれているような時、あるいは両親との関係、夫婦関係、子供の心配などのストレスを感じている時などは、左半身が不用意になりがちです。また、Leの人は、体質的には、母親の体質が出やすくなります。
自覚症状がいつも右側ばかり、左側ばかりという場合は、目をふだん動きにくい方に寄せてみましょう。左右差の解消は、右半身・左半身のバランスをとることになりますので。
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さて、この連載は、2008年9月より、丸2年にわたってお届けしてまいりました。このシリーズの前の連載(「見えない・カラダ学」)を含めると、なんと、6年以上、お世話になったことになります。
なかなか期限を守らない僕を辛抱強く見守って下さった出版局の高橋悦子さんにはほんとうに、御礼を申し上げます。
また、本連載の最初のきっかけをつくって下さいました宮原幾男さん、すばらしいチャンスをありがとうございました。そして、ご愛読いただきました皆様、心より感謝申し上げます。
ココロとカラダの深遠なる世界、私は今後も、よりわかりやすく実用的な情報として発信し続けて参ります。またどこかで、お目にかかれます機会を楽しみにしております。
「今日もあなたのココロとカラダがぴっかぴかに輝きますように!」
感謝
おのころ心平
★おのころ心平公式HP 自然治癒力学校(理事長おのころ心平)
http://naturalhealing-school.org/