■絶景スポットの宝庫・宮古島
全国津々浦々に温泉が湧き、入浴文化が根付いている日本といえども、さすがに沖縄県の離島と温泉はイメージが結び付かないのは当然といえよう。南国の島と湯けむりは、やはりミスマッチであることは否めない。
「南の島に行ったら、さすがに温泉よりも海水浴のほうが気持ちいいだろう」。温泉マニアの筆者でさえも、かつてはそう思っていた。しかし、それが間違いだと教えてくれたのは、沖縄本島から南西に約290㎞の距離に位置する宮古島の温泉である。
近年はリゾート地として人気を集める宮古島は、海の絶景の宝庫である。「ミヤコブルー」と称される海の美しさは格別で、沖縄本島の海とは透明度のレベルが違う。まるで絵の具を溶かしたかのような鮮烈な青色で、ここが日本であることを忘れさせてくれる。
島内には、与那覇前浜ビーチや砂山ビーチなど絶景スポットとして名高い白砂のビーチも数多いが、ふらっと立ち寄った名もない小さな浜辺も十分絵になる。
そんな宮古島に湧いている「シギラ黄金温泉」は、日本最南端、最西端の温泉施設。究極の“南国温泉”だ。近年は沖縄県にも温泉施設が増えているが、宮古島の温泉が南の最果てである。
ちなみに、日本最北端の温泉は北海道・稚内市の日帰り温泉施設「童夢」。最東端の温泉は北海道・羅臼町にある秘湯「相泊温泉」である。
■湯量豊富!巨大な温泉プール
シギラ黄金温泉は、高級リゾートである「シギラセブンマイルズリゾート」の敷地内にある日帰り温泉施設で、宿泊客以外も利用できる。2010年にオープンした入浴施設には、水着着用の「ジャングルプール」も併設されている。
ジャングルプールは家族やカップル、仲間同士で一緒に入浴できるうえに、オフシーズンの冬でも温水プールでリゾート気分を堪能できるのはうれしい。ちなみに、巨大なプールにも温泉が使われている。1日800トンという豊富な湧出量のなせる業である。
温泉好きにとってありがたいのは、裸でふつうに入浴できるゾーンがあること。内湯はなく、露天風呂のみというのが、いかにも南国リゾートの温泉らしい。
黄色の花を咲かせるアラマンダなど熱帯の植物に囲まれた湯船には、地下1250mから湧出した約50℃の源泉がかけ流しにされている。「黄金温泉」の名のとおり、黄色をおびた透明湯は南国の日差しに照らされてキラキラと輝いている。泉質はナトリウム‐塩化物泉で、塩分を含んだ温まる湯である。
階段を上った高台には「展望風呂」がある。展望風呂からはミヤコブルーの大海原を望むことができる。海岸から少し距離があるので、湯船につかると海は見えなくなってしまうのが少々残念だが、さわやかな海風が顔に当たって気持ちがいい。夜は満天の星を見上げながら入浴するのも一興だろう。
■貸切のプライベートルームにも温泉
カップルや家族連れには、「プライベートルーム」がおすすめ。専用の露天風呂が付いた一棟貸しの施設で、ゆっくりと時間を過ごすことができる。こちらの湯船も源泉かけ流しだ。
そのほか、施設内には飲食メニューが充実したカフェ、岩塩サウナ、フィンランドサウナ、マッサージルーム、フィットネスジム、スイミングプールなどの施設が充実しているので、満喫するには時間が足りないくらいである。
宮古島に行く前は、「海水浴ができるのであれば温泉に入りたいとは思わないのではないか」と思っていた。しかも、南の島にかけ流しの上質な温泉があるとは思わず、まったく期待していなかった。
でも、それは大変な誤解だった。とくに海水浴を楽しんで、少し体が冷えたあとに入浴する温泉は最高だ。やはり、温泉はどこで入っても気持ちがいい。結局、島に滞在していた3日間、毎日シギラ黄金温泉に通うことになったのである。






















